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論文「平和政策への視座転換 −自衛隊の平和憲法的『解編』に向けて」

H・O


 深瀬忠一・上田勝美・稲正樹・水島朝穂編著『平和憲法の確保と新生』(2008年、北海道大学出版会)に収載された、水島朝穂教授(早大)の論文です。水島教授はこの論文を執筆した10年前に「自衛隊の平和憲法的解編構想」を公表しました(深瀬忠一他編『恒久世界平和のために』(1998年、勁草書房)に収載)が、この10年間は自衛隊の海外派遣や防衛庁の省への移行など、日本国憲法の平和主義と水島教授の提唱に逆行する事態が進行しました。水島教授は今回の論文で、こうした自衛隊と「軍拡」をめぐる状況の変化を分析しつつ、自衛隊の平和憲法的「解編」の今日的な可能性と展望を論及しています。
 具体的には、@国際社会全体で、軍事力の存在根拠と有効性の「揺らぎ」が生じつつあること、A軍事力を軸とした「同盟」思考の行き詰まりが明確になってきていること、B軍事力によらずに解決されるべき活動分野が国際的に拡大してきていること、などの国際情勢の変化を事実と数値を示しながら分析し、そして、こうした情勢の変化をふまえて自衛隊「解編」の具体的課題を提起しています。それは、自衛隊を拡充するのではなく、当面の自衛隊のあり方を「専守防衛水準」に戻すこと、「軍」に対する民主的統制をすすめること、等々です。
 こんにち、中国の"海洋進出"等に対して軍事的対応の必要性も叫ばれていますが、国際情勢全体を冷静に見極める重要性、まさに「平和政策への視座転換」の重要性が提示されている論文です。
 水島教授は、憲法の解釈にとどまらず、自衛隊と日本の防衛政策をめぐる政治的社会的情勢の変化をとらえ、憲法の平和主義の考え方を真に実現させる課題を提示し続けています。

【論文情報】
筆者は水島朝穂・早大教授。深瀬忠一・上田勝美・稲正樹・水島朝穂編著『平和憲法の確保と新生』(2008年、北海道大学出版会)に収載。

 

<法学館憲法研究所事務局から>
 9月15日(土)、「平和と憲法 − "武力なき平和"のリアリティ」と題して水島朝穂氏(早稲田大教授)が講演し、当研究所の浦部法穂顧問(=神戸大学名誉教授)と対談します。こちら 。ここでも自衛隊と日本の防衛政策をめぐる情勢を鋭く分析しつつ、憲法の平和主義の真髄を提起してくださること間違いありません。多くの方々にご参加いただきたく、ご案内します。



 

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