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書籍『日本の国境問題 ― 尖閣・竹島・北方領土』

H・T


 外務省国際情報局長や防衛大学校教授を勤めた孫崎享氏が、2010年9月に尖閣諸島で発生した緊迫した事件を契機に執筆したものです。海外勤務も長く経験した氏は、国家の縁辺にある一部の国境紛争がおうおうにして予想外の軍事衝突・戦争に発展し、また、国家間の全体的な交流を破壊し国益を害する多数の事例を見、また研究してきました。本書は、2年前の衝突は日中間の軍事的な紛争となる危険性があることを警告していますが、尖閣諸島をめぐる現今の情勢は一層緊迫しています。ここに至った事情を理解するためにも必読の文献でしょう。

 国境紛争の場合、両国政府は自国に有利な情報しか主張せず、国民に提供しません。マスコミも基本的に政府に同調し、結果的ではあれナショナリズムを煽り、それが逆に政府を拘束する傾向にあります。尖閣諸島、竹島、北方領土の問題も例に漏れません。

 外交も憲法の下では国民の民主的な統制に服します。国民が民主的にコントロールするためには、相手国の主張や歴史的経過はどうなっていたかについての正確な情報を知ることが決定的に重要になります(国民の「知る権利」)。すなわち、ポツダム宣言やサンフランシスコ講和条約、相手国との外交交渉等の情報です。筆者は各種講演の際、聴衆があまりにもこれらを知らないことに驚きを隠していません。

 例えば、尖閣諸島については、1972年、田中角栄・周恩来両首相間で両国は領有権の帰属問題を棚上げにすることによって、国交正常化という大きな目的を実現しました。この棚上げはその後も両国によって再三確認されています。現在の緊張は、日本側が「国有化」したことが、中国からみると「棚上げ」の約束の一方的な破棄と受け止められていることが重要な意味を持ちます。

 竹島、北方領土問題を含めて、メディアが知らせていない情報が溢れています。具体的には本書でご確認下さい。
 筆者は、軍事力を使わない共通原則や緊密な「多角的相互依存関係」の構築を提唱しています。

【書籍情報】
2011年5月10日刊行。ちくま新書。孫崎享著。本体760円+税



 

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