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書籍「生活保護とあたし」

H・T


 政府は生活保護制度に基づき支給される生活扶助費について、13年度から7.3%(国費ベース)を減額する方針を示しています。私たちはこれに賛成するのか。自分の問題として考えなければならない緊急課題です。

 この本は、2007年から3年半の間、生活保護を利用していた和久井みちるさんが生活保護受給者のありのままの姿を紹介するとともに、減額の問題点などを論じたものです。等身大で率直な語り口で親近感が持て、かつ、生活保護に限らない今の社会のあり方までつながる問題を投げかけています。

 ある制度が改悪される場合は、制度の利用者に対するバッシングが政治家やマスコミから異常になされることが多いです。2012年の生活保護受給者の問題もその典型で、利用者の0.4%に過ぎない「不正受給」の問題などがかつてなく激しく紙面を飾りました。しかし、普通の利用者の暮らしの様子はほとんど知らされませんでした。生活保護は憲法25条1項に基づくナショナルミニマムを実現するためのものであり、心身の疾病、失業、老齢などにより多くの人が利用者になる可能性がある皆の問題です。本書では、フルタイムで働いても生活保護の基準に達しない非正規労働の実態が明らかにされ、制度を利用している捕捉率は高くても30%に過ぎないこと、最低賃金や年金制度にも影響する日本の社会の骨格のあり方に関わる問題であることも指摘されています。

 制度利用者の衣食住、底知れない孤独さ、普通の人の2倍の自殺率、形式的な「就労指導」など、利用者の具体的な姿をまず知ることが不可欠であることを教えてくれます。

【書籍情報】2012年12月刊行。和久井みちる著。あけび書房発行。本体1.400円+税。



 

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