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論文「新段階の日本政治と憲法、アジア」

H・T



 安倍政権は政権発足後4か月を経過した現在も非常に高い支持率を保持しています。景気が回復し生活が改善されるのではないかという国民の期待を集めているという報道が多いようです。本論考は、巨視的な観点から安倍政権の全体像を分析し、国民はいかに対応すべきかを検討しています。

 筆者の渡辺治さんは、安倍政権の政治の特徴を3点指摘しています。
 最大の特徴は、停滞していた新自由主義・構造改革の政治の復活(新自由主義の第3期)です。但し、多くの国民は構造改革に強い不満を既に持っているので、従来の路線を変えて構造改革の漸進政策を採り、「デフレ脱却」「アベノミクス」という、大型金融緩和、公共事業に対する大型財政出動、成長戦略の路線を打ち出しました。
 その狙いは、参院選の勝利、消費税引き上げ実施の前提づくり、地方再建による支持基盤の回復です。
 しかし、その結果は大企業が潤うだけで、社会保障のリストラ、原発の再稼動、TPP参加を含めて、第3期の政策は上手くいかないとみています。

 政権の第1の特徴は、アメリカに従属する下での軍事大国化です。集団的自衛権を含めた、自衛隊の海外での戦争体制を完成するために、解釈改憲を先行させ、9条改憲を実現するという2段階戦略を立てています。

 第3の特徴は、格差拡大、地方の崩壊など大きな問題を抱えた日本社会を統合する方法として、憲法を「改正」して天皇を元首化したり24条で家族の役割を強調するなどの「新保守主義」を採用していることです。「教育改革」により教育委員会をなくす改革もここに入ります。

 これに対して、日本国憲法の理念の実現を求め、改憲を阻む立場から、原発、消費税などの1点ごとの共闘でなく、「国民連合」の必要性を強調しています。
 近年、@保守層も含めた「九条の会」の運動の広がり、A地場産業、TPP、原発などの問題で地域に根ざした多くの運動の展開、B脱原発の集会、などに見られる新しい社会層の参加という運動の昂揚が見られます。
 しかし、この変化は年末の選挙には結びつきませんでした。
 そこで、筆者は、これらの流れを結集して新しい政治を作る展望を語っています。このとき一番参考になるものとして、都知事選で宇都宮候補が掲げた4つの政策が柱になると述べています。すなわち、原発のない社会、人らしく生きられるまち、子どもたちのための教育の再建、憲法をいかす(その一例として東京と北京、ソウルが姉妹都市であることを生かすこと)という4つです。
 多くの国民が力を合わせて憲法「改正」を阻む国民連合を独自に作ることも訴えています。

【論文情報】
月刊「憲法運動」2013年3月号に収載。筆者は渡辺治さん(一橋大学名誉教授)。

 

<法学館憲法研究所事務局から>
 当研究所は今般の憲法「改正」も動きに対してDVD「STOP戦争への道」を製作し、普及する取り組みを進めています。こちら。読者の皆さんにもご協力いただければと思います。



 

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