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論文「『平和憲法体制』とアジア」

H・O


 日本で平和憲法が制定されたのは、日本の再軍備をさせまいとするアメリカのイニシアチブと同時に、もう戦争は嫌だ、もう戦争はしない、という当時の多くの日本人の気持ち・意志によるものだった、と言えるでしょう。そして、日本人は平和憲法制定後も支配勢力の改憲への動きに抗し、明文改憲を許してきませんでした。この日本人の平和意識は評価されてよいことでしょう。しかし、その内実も問われるべきでしょう。
 韓国と日本、その関係についての現代史を専門とする権赫泰教授(韓国・聖公会大学)はこの論文で、日本と日本人の過去の戦争への反省は15年戦争への反省にとどまっている面がある、と指摘します。権教授は、東京裁判(極東軍事裁判)は当時の日本の帝国主義間戦争を裁く場であって、それは日本の植民地支配を直接問うものではなかった、ということなどを示しながら説明します。たしかに、いまなお日本では、決して一部の政治家だけでなく、市民レベルでも、日本の朝鮮半島支配への反省には不十分さがあると思われます。
 権教授は憲法9条を守ろうという日本人の運動を支持しながら、それが、いわゆる「一国平和主義」的意識のもとに進められるのならば、韓国など周辺諸国から疑問の声が絶たないとの問題点を厳しく指摘します。憲法9条に基づく戦後の日本社会が、アメリカのアジア戦略の中で、韓国などの社会の動きとリンクしながら展開されている状況を分析・概観しながら、日本の憲法9条擁護の運動への重要な視点を提起してくれる論文です。

【論文情報】
雑誌「季論21」(本の泉社発行)2008年7月号に収載。筆者は権赫泰(クォン・ヒョクテ)聖公会大学日本学科教授。

<法学館憲法研究所事務局から>
 当研究所は5月27日(月)に、権赫泰先生講演会「日本の改憲問題と日韓関係」を開催します。権赫泰先生が今般の日本での改憲の動きをどう分析されるか、注目されます。多くの方々にご参加いただきたく、ご案内します。
 権赫泰先生の論文としては下記もあります。
   論文「周辺国から問う、改憲と歴史認識」


 

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