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特集「『96条からの改憲』に抗する」

H・T


 憲法9条を中心とする改憲に先行して、まず96条の改憲手続きを緩和する案が政界で一定の広がりを見せています。本特集は、96条の改憲の意義と「憲法の大前提から今日の改憲論を検証する」(紹介文より)ものです。

 伊藤真氏(法学館憲法研究所長)は、日本国憲法は立憲主義と平和主義という二つの英知を持つ点で優れた憲法であるところ、自民党改憲草案は96条をはじめ多岐にわたって立憲主義を否定し、平和主義も捨て去ろうとしていると警告しています。そして、重要なのは、96条の要件が緩和されて草案が導入されれば、「国防」という公益の名の下に様々な人権が否定され生活が激変する可能性があることなどを、今の段階でイメージすることだと述べています。

 青井未帆教授は、「憲法は何のためにあるか」と題して、立憲主義は伊藤博文らによる明治憲法の制定時以来日本が近代国家としての国際標準を獲得しようとしてきた重大なもので、その目的は自由や人権を保障することにあり、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」を規定する97条を削除する等の自民党草案の問題性を指摘しています。

 230名を超えた「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、自民党改憲案や維新の会の綱領を知らない人たちに、独自に製作した紙芝居やパンフレット等で、それを知っていただく実践的な活動を報告しています。

 只野雅人教授は、対等型に近い二院制に期待されるのは、民意が内包している様々なニュアンスや表情の相違を、国会という公開の場で浮かび上がらせ敏感に反映させることであり、連立政権も現実的なものであると述べています。

 内橋克人氏と小森陽一教授は「グローバル化の総仕上げとしての自民党改憲草案」と題して対談しています。「日米経済協力協定」を謳う安保条約第2条は、アメリカからの日本経済に対する要求を実現するうえで核心的な役割を果たしてきましたが、そのことがほとんど知られていないことを強調しています。TPP、原発再稼動、アベノミクスが一度に出てきて、日本人はいくら働いても豊かにはなれない構造が出来上がっていくなかで、改憲が総仕上げとして登場している全体構造を提示しています。

 想田和弘氏は、日本人は「法の下の平等」の意味を、改憲を主張している政治家も庶民と同じく憲法を知らなくて良いと考えるなどあまりにも寛容ではないか、「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」と問題提起しています。

【特集情報】
「世界」2013年6月号所収 岩波書店 840円(税込み)




 

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