法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『ヒロシマの記憶 原発の刻印 〜ヒロシマを知り原発を考える』

H・O


 肥田舜太郎さん、96歳。広島で原爆投下に遭いながらも、軍医として日々被爆者の治療にあたり、もはやただ一人、医師として被爆者たちの被害の実相を知る者としてそれを語り続けています。福島第一原発事故によって多くの人々があらためて大規模な放射線被害を受ける状況の中で、肥田さんの証言と告発がいま注目されています。肥田さんが語ることの中でまず圧倒されるのは、広島での原爆投下直後からの診療の、あの生々しい現実です。日々目の前で何人もの人々が死んでいった様子に思わず引き込まれます。
 原爆投下による爆風・熱風の直接的な被害を受けたわけではなく、その後被災地に足を踏み入れるなどした結果体内に放射線が入り込んで発症したのが内部被曝と言われます。これは原爆被害を隠そうとする米日政府の諸施策の中で、少なくない医師・医学者はその実態を解明できませんでした。あるいは解明することを妨げられ、あるいはそれよりも自己保身を優先することになりました。その背景には核の平和利用というフレーズに飲み込まれていった日本国民全体の意識もあったかもしれません。孤立無援ともいえる状況の中で内部被曝の恐ろしさを訴え続けた肥田さんの話はこの点でも胸を打ちます。
 日本国民の多くが、唯一の被爆国でありながらもアメリカの「核の傘」の下にいることを主張する政権、福島の人々が原発事故の放射能被害に晒されようと、なおも原発依存のエネルギー政策に固執する政権を選びつつけてきました。「個人の尊重」を最大の価値として、国民一人ひとりの人権と命を大事にすべきことを謳う憲法の意義と重要性をいまこそ国民全体に広げなければと思います。
 本書は、肥田さんの広島での経験、内部被曝の恐ろしさ、命と人権の大切さなどについての肥田さんのお話がそのまま掲載されています。いまを生きる多くの方々に読んでいただきたい本です。

【書籍情報】
2013年8月、遊絲社から刊行。著者は肥田舜太郎さん(医師)。定価は1,470円(税込)。

<法学館憲法研究所事務局から>
 以前、当サイト「今週の一言」のページで大久保賢一さん(弁護士。日本反核法律家協会事務局長)が「いま、放射線被害に立ち向かい、「命」と「人権」の尊さを実感すべきとき」と語っていただき、そこで肥田さんの著作『肥田舜太郎が語る「いま、どうしても伝えておきたいこと」―内部被曝とたたかい、自らのいのちを生かすために』(2013年2月、日本評論社刊)を紹介してくださいました。この本は肥田さんがいま訴えたいことを大久保さんが上手く引き出し、解説してくださっています。あわせてご案内します。

 

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