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憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『憲法を変えて「戦争のボタン」を押しますか?―「自民党改憲草案」の問題点』

H・T


 憲法研究者の清水雅彦先生が新刊書で「自民党改憲草案」の問題点を分かりやすく、詳細に解説しています。「草案」は、日本国憲法の最大の特徴である9条を180度変更して戦争する国に変える他に、「個人の尊重」という近代の価値観をも否定し私たちの生活、文化を転換する極めて重大なものであることを、具体的に摘示しています。

 右ページには「草案」と現行憲法の条文対照表が掲載されています。左のページには掲載条文の考察が加えられています。その上段は本論で、下段は本論中の用語や概念に対する注となっていています。注は、時に、より突っ込んだ論考にもなっています。見やすい構成です。

 「考察」では、現憲法と「草案」のポイントが太い柱で簡潔に対比されています。注の部分を含めて単なる理論でなく具体的な歴史や事例が豊富に踏まえられているのは、本書を分かりやすいものにしている理由の一つでしょう。例えば「前文」の部分の考察の最初の柱は「前面に出る国家主義」です。「草案」では「美しい国土と自然環境を守り」とありますが、注において安倍政権は脱原発依存を白紙に戻したことが指摘されています。

 「安全保障」の章では、「草案」がいう「国防軍」は実は「国防」以外の活動にまで拡大されていることが明らかにされます。

 人権については、「一人ひとりの個性・考えまでは尊重されなくなる」ことが説明されています。改憲に賛成する世論の多くは「新しい人権」が明記されることにあります。しかし、「草案」では権利を行使する主体の権利としては記載されておらず行政や裁判の場で使える権利になっていません。「『「新しい人権」は改憲の正当化に利用されるだけです」。

 「最高法規」の章では、「草案」の発想は立憲主義とは相容れないことが強調されています。

 総じて、私的領域に国家が憲法をもって介入し、憲法が個人を支配するシステムに逆回転することが具体的に浮き彫りにされています。

【書籍情報】
2013年8月31日刊行。清水雅彦著。高文研発行。本体1200円+税。

<法学館憲法研究所事務局から>
 当研究所は10月から「2013年憲法フォーラム ― 主権者として社会への向き合い方を問う!!(全3回)」を開催します。その第1回(10月21日(月))では「立憲主義という考え方」をテーマに、当研究所の伊藤真所長と浦部法穂顧問が参加者の質問や問題提起に回答・コメントし、参加者とともに憲法についての認識を深めます。多くの方々にご参加いただきたく、ご案内します。



 

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