法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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講義録「経済と憲法」

H・O


 人は、まずは自分と家族の生活・暮らしのことを考え、あるいは悩むことになります。具体的には、毎月の収入の確保、必要な物や買いたいものの値段の動向、などが気にかかります。自分の"食い扶持"の確保に悩むことになる場合もあります。そこで人々はこれらをめぐる社会全体の経済を気にかけることになります。自分と家族の生活を維持していくためにも、経済の基本的なしくみや原理を知っておきたいものです。
 浦部法穂・法学館憲法研究所顧問(=神戸大学名誉教授)のこの講義録は、経済のしくみや原理を概観しながら、憲法は経済というものにどのような役割を果たしているのかを歴史的に解き明かしながら、人は経済にどう向き合う必要があるのかを日本国憲法の規定とその趣旨に照らしながら刺激的な問題提起をするものです。
 経済活動の自由は近代市民革命の結果、各国の憲法で保障されるようになりました。しかし、やがて経済活動の自由は独占資本や財閥の自由にほかならないと多くの人々が認識するようになり、労働者などのために経済活動を国家が憲法で規制するようになってきました。また、経済成長のための国家の市場への介入も強まることになりました。ところが先進諸国の財政支出の増大によって、いままた経済活動の自由を無制限に認めていこうという「新自由主義」の考え方が席巻してきています。こうした歴史的経過の明快な解明はこの講義録の大きな魅力です。そして、すべての人に人間らしい生存・生活を保障するという日本国憲法の原点をふまえ、「新自由主義」の危険性を理解する必要があると説いています。
 この講義録は人々にいくつかの強烈な問題提起をしています。かつては企業活動の活発化が労働者の生活改善に結びつくところがありましたが、もはやそうではなくなってきているこんにち、労働者は企業というものにどう向き合うかを問います。格安な物やサービスに飛びつくことは労働者の低賃金を温存することにもつながるのであり、適正な価格や対価を支払う、そうした経済システムを求めることも重要ではないかという問題提起もしています。
 この講義録は「法学館憲法研究所報」9号に収載されています。

<法学館憲法研究所事務局から>
 憲法の考え方を人々に伝えるにあたって、浦部法穂・法学館憲法研究所顧問はそれを経済という国民の関心事との関係をふまえて説きました。こうした意欲的な取り組みをすすめる浦部顧問が、10月21日、伊藤真所長とともに、「立憲主義という考え方」というテーマで参加者と議論します。こちら。多くの方々のご参加をお待ちしています。



 

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