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論文「『崩憲』への危うい道 ―軽々な言動によって骨抜きにされる日本国憲法」

H・T


 7月の参院選で国会の「ねじれ」を解消した安倍政権の麻生副首相の「誰も気づかないでナチス憲法に変った。あの手口に学んだらどうかね。」という発言は、「真意と異なり誤解を招いた」という釈明で幕引きが図られました。京都大学人文科学研究所所長である山室信一教授は、この発言に潜む安倍政権の民主主義への懐疑と立憲主義の否定の姿勢に強い警戒を示しています。

 早急な明文改憲が不可能だと認識した政権は、「誰も気づかない」とまでは行かないまでも比較的静かな解釈による集団的自衛権の行使可能の道を急速度で歩んでいます。筆者は、その手口の代表例として、内閣法制局長官に外部の外交官を任命したことと解釈改憲の賛成派ばかりを集めた首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の再始動を挙げています。「内閣法制局と内閣の憲法解釈が変更されるとき、国民は憲法に指1本触れられないことになりはしないだろうか」と懸念を表明しています。

 そして、「何よりも注視すべきは」「特定機密保護法案」の提出であり、集団的自衛権の行使を認めることは国内における機密保護のみならず国民監視を日常化することであることに注意を喚起しています。

 筆者は最後の章で、ナチス・ドイツの政治手法と日本の現状を重ね合わせています。ナチスは(共産党による国会議事堂放火事件をでっちあげ)脅威を演出しました。今日本では北朝鮮、中国、韓国による外部的脅威を「追い風」として軍事力の強化が図られています。引用されているゲシュタポを創設したヘルマン・ゲーリックの9行の有名な言葉が、これまで紹介してきた状況を見事に要約しています。

 立憲主義を否定する安倍政権の「崩憲」政策の全体像を知りそれにどう対抗したら良いのかを深く考えさせられる論文です。

【特集情報】
「世界」2013年10月号所収 岩波書店 840円(税込み)

<法学館憲法研究所事務局から>
 当研究所は10月から「2013年憲法フォーラム ― 主権者として社会への向き合い方を問う!!(全3回)」を開催します。その第1回(10月21日(月))では当研究所の伊藤真所長ともに浦部法穂顧問が「立憲主義という考え方」をテーマに、参加者の質問や問題提起に憲法学の理論的到達点をふまえて回答・コメントし、参加者とともに憲法についての認識を深めます。多くの方々にご参加いただきたく、ご案内します。



 

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