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憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『沖縄の自立と日本  「復帰」40年の問いかけ』

K・I


 2012年、沖縄が日本に「復帰」してから40年の節目を迎えたのを契機に、沖縄の人々は改めて「『復帰』とは何だったのか」を問い直すこととなりました。それは、施政権返還から現在に至るまでの沖縄の歩みは、人々が切実に願っていた「平和憲法の下への復帰」ではなく「日米安保条約の下への『復帰』」という極めて厳しいいばらの道であったと言わざるを得ないからです。本書は大田昌秀元沖縄県知事をはじめとする沖縄を代表する4人の論客が、各人の経歴や立場を超えて共通認識である沖縄の「自立」への展望とアジアの中での未来像を熱く語ります。

 著書の一人である大田氏は、沖縄の人々が「平和憲法の下に帰る」というスローガンを掲げ復帰運動を推進した背景を、当時の新聞記事、政治家や文化人の発言を持ち出し解説しています。
 1952年4月28日、日本はサンフランシスコ講話条約の発行とともに主権の回復を果たしました。一方、「屈辱の日」とも表現されるように、沖縄はその後20年に及ぶアメリカの軍事占領下に置かれることになります。占領下の沖縄では人々の人権がないがしろにされ、労働権や教育権、参政権等の基本的人権の保障がされない状態が続いたのです。
 このような背景から沖縄の人々は「平和憲法の下に帰る」というスローガンを掲げ、日本復帰運動を推進しました。ここで大田氏が指摘するのは、憲法が適用されている日本本土よりも、それから除外されていた沖縄において平和憲法が活力を発揮しているということ、そして「本土」ではなく、あくまで「平和憲法」への復帰であり、当時から存在した沖縄の「自立」・独立志向を取り上げています。沖縄では、住民らを取り巻く状況が平和憲法の理念の所在を明らかにし、その平和憲法を盾に問題を解決していく、人間としてまっとうな「生き方」を見つけていきました。
 
 現在、日本国憲法は安倍政権の下で改変されようとしています。大田氏は改変された場合、戦後日本の民主主義の瓦解のみならず、長年にわたり平和を希求してきた沖縄住民らの努力が雲散霧消してしまうと危惧しています。このようなときだからこそ、沖縄から「日本国憲法」を捉え返すという視点が必要だといえるでしょう。

【書籍情報】
2013年8月、岩波書店から刊行。著者は大田昌秀元沖縄県知事、新川明元沖縄タイムス会長、稲嶺惠一元沖縄県知事、新崎盛暉沖縄大学名誉教授。定価は本体2,100円+税。

<法学館憲法研究所事務局から>
 伊藤真所長が主宰する伊藤塾が2013年沖縄スタディツアー(2013/12/14-16)を実施します。大田昌秀さんは、その際に講演する予定となっています。同ツアーは、伊藤塾塾生でなくても参加できます。詳細はホームページにてご確認ください。
URL:http://www.itojuku.co.jp/afterpass/study/okinawa/2013/index.html



 

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