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問題提起「立憲主義という考え方」

H・O

 安倍首相は国会で立憲主義の考え方について次のように語りました。
「憲法は権力を縛るという側面が確かにあります。しかし、全て権力を縛るものであるという考え方は、王権の時代、専制主義的な政府に対する憲法という考え方であって、今は民主主義の国家である以上、権力を縛ると同時に国の姿について書き込んでいくものなのだろうと私達は考えております」
 この答弁は安倍首相の立憲主義のついての無理解を示すものとして、野党や少なくないメディアからの批判を受けましたが、安倍首相がそのような認識で憲法について考えていることを直視し、立憲主義という考え方の意味するところについての国民的な理解を広げることがいよいよ重要であると思われます。
 法学館憲法研究所の2013年憲法フォーラムで浦部法穂・法学館憲法研究所顧問(=神戸大学名誉教授)が語ったこの問題提起はまず、立憲主義という言葉の成り立ちからその意味するところを再確認します。立憲主義はConstitutionalismの訳語です。それは、Constitution=憲法のism=主義・考え方ということですが、Constitutionをさらに分解すると、con=みんなで一緒に、stitute=組み立てる・成り立たせる、ということです。憲法は「みんなで一緒の成り立たせた」ものであり、そうして成り立つ国家の権力担当者の権力行使は、当然に憲法の範囲内に限られる、すなわち「憲法は権力を縛る」ということになります。
 浦部顧問はこの問題提起で、多くの国会議員が立憲主義についての理解に欠けている背景に、国民の中にこうした憲法についての基本的な考え方が十分に共有されていない状況があることを示唆しています。国民は憲法について自由に考えてよいわけですが、権力担当者は憲法という枠組みを逸脱する言動は許されない、それは社会を成り立たせる基本的な条件となる、ということをいかに日本社会に定着させていくかが、いま問われているのではないでしょうか。
 立憲主義の考え方の成り立ちおよび、それが日本社会にどのように受け入れられてきたのかなども簡潔に振り返りながらの上記問題提起を、多くの方々に読んでいただきたいと思います。

 この問題提起は「法学館憲法研究所報」10号(2014年1月発行)に収載されています。



 

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