法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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書籍『戦争のできる国へ —安倍政権の正体』

H・O

 集団的自衛権の容認、武器輸出三原則の見直し、首相の靖国神社参拝、特定秘密法の制定等々、安倍政権による「戦争のできる国」づくりが加速しています。この状況の危険性を暴く、ジャーナリスト・斎藤貴男さんならではの奥深い分析の書です。現行憲法の基本部分を改変しようという自民党改憲案の先取りが行われていることに国民は敏感であるべきことを提起するものとなっています。
 第一章「戦争のできる国を目指して T」は、いま日本とアメリカの安全保障政策を牽引している、その中枢にいる人物たちが考えていること、狙っていることを明らかにしています。政府の公式会見や国会答弁は慎重な言葉遣いによるもので、国民はその内容の危険性をリアルに感じられないところがありますが、本書では両国の要人の気心知れた者同士の場での発言や著作で述べていること、つまり彼らの「本音」を紹介してくれています。なんとそこまで考えているのかと、唖然とさせられることが次々と出てきます。
 第二章「戦争のできる国を目指して U」は、いま安倍政権が唱えている積極的平和主義の考え方とその思想の根本部分の炙り出しを試みています。アメリカの軍事戦略に対して日本がどのような立ち位置を目指しているのかが分析されています。
 第三章「主権在権」のタイトルは、「主権在民」という憲法上の大原則がもはや覆り、国の主役は国民ではなく権力者になってしまっている、ということを表しています。特定秘密保護法の制定で多くのことが国家の秘密事項として秘匿され、それに接しようとしたり、議論したりするだけで国民は刑罰を課せられるようになります。斎藤さんはその恐ろしさを指摘しつつ、もはや国民の言論・思想の統制・監視システムは全面的に築き上げられつつあるという、その現状を明らかにし、警鐘を鳴らします。
 第四章「生存権<(より)グローバル資本+国家利益」では、貧困者には家族や親族が支援せよというキャンペーンをはり、その一方で、労働者の長時間労働や解雇をしやすい政策をとって大企業の活動を支援し、さらに企業の海外進出のために自衛隊の海外での活動を広げようとする安倍政権の動きを暴きます。
 第五章「高揚するネトウヨ・ナショナリズム」では、アメリカに従属しつつ、天皇中心の戦前への回帰を目指す矛盾を教育・メディアの統制によって克服しようという安倍政権の動きとそれに連動する国民の意識・動向の解明が試みられています。
 ここでは、国というものにどう対峙するかについての浦部法穂神戸大名誉教授(=法学館憲法研究所顧問)の見解に学ぶべきことも述べられています。
 第六章「臣民の"生き方マニュアル"を否定せよ −「戦争のできる国」にさせない」では、自民党の改憲案や解釈改憲論の論理の浅薄さなどを明らかにし、それには少なくない保守政治家も違和感を表明している事実を示し、その動きに抗する展望を語っています。
 「戦争のできる国」づくりの正念場の時期にあることをリアルに認識させてくれる書です。

【書籍情報】
2014年3月、朝日新聞出版から朝日新書として刊行。著者はジャーナリスト・斎藤貴男さん。定価は861円(税込み)。

<法学館憲法研究所事務局から>
 上記のように戦争のできる国づくりが急速に進んでいます。当研究所も製作にあたったDVD「STOP戦争への道」はその状況を映像で示すものとして全国各地で上映されています。ご案内します。



 

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