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書籍『特定秘密保護法とその先にあるもの』

H・O


 2013年秋に特定秘密保護法が成立したことによって今後の社会はどのように変わるのか? 「憲法秩序と市民社会の危機」というサブタイトルがついた書です。本書の特徴は、特定秘密保護法の制定が市民社会に対してどのような影響を及ぼすのかが、各分野から多面的かつ具体的に検討・提示されていることだと思われます。
 たとえば、新聞記者である市川隆太さんは、今後の新聞報道等が政府の施策などの問題点を明らかにすることができなくなっていく危険性を指摘します。国民は選挙などで自らの政治的意見を表明していくにあたって、政治や行政をめぐる問題状況についてのメディアの報道などによってその判断をするわけですが、その前提が崩れていこうとしていることに警鐘を鳴らします。
 元日本航空機長である山口宏弥さんは、今後日本の民間航空機が武器や弾薬を輸送するようになる危険性を明らかにします。そうなれば、他国の警戒感が高まり、空の安全は危機に晒されることになっていくでしょう。
 京都民医連中央病院長である吉中丈志さんは、今後特定秘密を取り扱う人がその適正評価にあたって自分の病歴などを医師に告げない事態が広がることを懸念します。その結果、適切な医療ができず、また社会に感染症などが広がることが危ぶまれます。
 本書の編者である村井敏邦教授は戦後の秘密保護法制の経緯を辿りながら、今般の特定秘密保護法制定は「警察国家と軍事化への道」を加速させることになると、その根本的な問題点と危険性を抉ります。もう一人の編者である田島泰彦教授は日本社会における昨今の市民監視と情報統制の全体状況を明らかにし、強く警鐘を発します。
 「憲法秩序と市民社会の危機」が到来していることについての認識を、多くの国民と共有していく上で有益な書です。

【書籍情報】
2014年5月、日本評論社から別冊法学セミナーとして刊行。編者は村井敏邦・大阪学院大教授、田島泰彦・上智大教授。定価は本体1574円+税。


 

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