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憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『改憲を問う −民主主義法学からの視座』

H・O

 

 衆議院選挙の結果は今後の明文改憲の動きに大きく影響することになるのでしょう。同時に、解釈改憲など広い意味での改憲の動きが続くことは間違いありません。この動きはこれまで与党だけで進められてきたのではなく、少なくない野党もそれを主張し、与党に「協力」してきたことを忘れてはなりません。
 こうした状況の中で、"改憲を問う"本書の刊行はまさにタイムリーです。憲法学者はもちろんのこと、様々な法分野の学者が、その専門性を発揮しつつ、かつ憲法理念に立脚して、改憲の動きとその問題点・危険性、そして諸問題についての本来あるべき改革の方向性・課題を提起しています。収載された論文数は39にのぼり、その全てを吟味するには時間がかかりますが、個々の論文は完結したものであり、関心のあるテーマから読んでいけばいいでしょう。以下、本書の目次を紹介します。

序――憲法・改憲と民主主義法学……浦田一郎 
解題……小沢隆一 

第1部 歴史的岐路としての現在の法状況

1 安倍政権と現代改憲の新段階……渡辺 治 
2 集団的自衛権容認論の歴史――「自衛」概念の二重性を中心に……浦田一郎 
3 激動の世界と国連平和体制……桐山孝信 
4 米軍基地問題と法……井端正幸 
5 核軍縮・核不拡散をめぐる法と政治……城 秀孝 
6 新自由主義と法の現況……大島和夫 
7 「3・11」が問いかけるもの……和田 肇 
8 社会生活の変動と法――消費生活を中心として……吉田克己 
9 グローバル新自由主義と最高裁判例の変容……岡田正則 

第2部 改憲動向における諸論点――改憲問題各論

1 安倍改憲の憲法観とその問題点……愛敬浩二 
2 明文改憲構想における平和主義の破壊と国家緊急権の新設……村田尚紀 
3 「軍事審判所」の意義と理論的・実際的問題点……安達光治 
4 精神的自由権……塚田哲之 
5 生存権……笹沼弘志 
6 家族……若尾典子 
7 教育……丹羽 徹 
8 改憲及び国家・政治の改変構想から見えてくるこの国のあり方と労働法……緒方桂子 
9 議会制民主主義……小松 浩 
10 財政――財政憲法の改編と健全財政主義……植松健一 
11 地方自治……榊原秀訓 
12 最高法規・憲法改正手続……井口秀作 
13 改憲をめぐる国会と国民の動き……奥野恒久 

第3部 国家・社会・経済の改変構想と法

1 衆参の選挙制度についての改革構想……上脇博之 
2 政治主導論と政官関係の改革構想……晴山一穂 
3 地方自治の改革構想――新しい「規範的秩序」の形成に向けて……白藤博行 
4 刑事司法改革と対抗構想――通信傍受拡大案の検討を中心に……渕野貴生 
5 国家秘密の管理と改革構想……清水雅彦 
6 改憲論議と債権法改正……今村与一 
7 福祉国家・住み続ける権利・人権としての社会保障……井上英夫 
8 労働をめぐる法と改革構想……名古道功 
9 学校教育法および国立大学法人法の一部改正――政府の大学政策と大学の自治……中富公一 
10 原発事故被害と人権……吉村良一 
11 雇用差別禁止法制は「女性活用」の前提条件……浅倉むつ子 

第4部 歴史と比較から探る未来への視座

1 「過去の克服」と将来展望……松本克美 
2 体制転換と憲法の民主的制定――ポーランドの場合……小森田秋夫 
3 比較法から探る「脱原発」の戦略……楜澤能生 
4 政治的自由主義思想と非武装平和主義……麻生多聞 
5 東アジアの平和をどう構想するか……小沢隆一 
6 歴史的視野の中の民主主義思想――アソシエーティヴ・デモクラシーの可能性……中村浩爾 

[資料]
憲法9条解釈変更・集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議する声明(2014年7月20日)
特定秘密保護法案の廃案を求める声明(2013年12月3日)
声明 いま改めて安保条約と米軍基地について考えよう(2012年4月28日)

【書籍情報】
2014年12月、日本評論社から刊行。編者は民主主義科学者協会法律部会。定価は本体2700円+税。

<法学館憲法研究所事務局から>
 いま最も警戒の目を向けるべき改憲は、安倍政権による集団的自衛権容認の閣議決定(2014年7月1日)の具体化ではないでしょうか。当研究所は2015年1月31日(土)に、このことについて検証する公開研究会「集団的自衛権の違憲性」を開催します。ご案内します。



 

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