法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『フランスの事後的違憲審査制』

S.K.

 

 2008年7月、フランスで、現行憲法である第五共和制憲法の大幅な改正が行われ、事後的違憲審査制度QPC(Question prioritaire de constitutionnalite)が導入されました。
 本書は、パリ第一大学の憲法学者で、2014年までフランスの憲法学会会長も務めておられたベルトマン・マチュー氏によるQPCの解説書を、中央大学の植野妙実子教授と兼頭ゆみ子氏が翻訳したものです。
 フランスでは2010年まで、憲法院が法律の合憲性審査を事前審査する制度はありましたが、具体的な係争に際して憲法適合性を提訴できる者が政治権力を有する者や議員に限られているなどの問題があり、フランス市民は、フランスの法律について、ヨーロッパの裁判所にその憲法適合性を申し立てることはできても、フランスの裁判所に申し立てることができない状況にありました。
 2010年3月からQPCの運用が開始され、フランス市民はフランスの裁判所に法律の違憲性を主張して合憲性審査を求めることができるようになりました。2010年3月1日から2012年11月1日までの間に扱われたQPCは1402件にのぼり、制度として成功したとみられています。
 本書では、QPCの制度の原則と実際の運用が説明されています。フランス法についてある程度の前提知識があった方が読みやすいと思いますが、全くの初学者であっても本書を読めばQPCの制度の全体像を掴むことができます。フランス市民の人権感覚の高さがこのような制度導入の背景にあるのかもしれませんし、日本の制度とはかなり違いますが、比較することで新たに気づくことは多いと思います。

【書籍情報】
日本評論社より2015年2月刊行。著者はベルトラン・マチュー氏。訳は、植野妙実子教授・兼頭ゆみ子氏(中央大学及び立正大学非常勤講師(国際法 ))。定価は、本体3300円+税。


 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]