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論文「日本国憲法と『多文化共生』社会の実現」

S.K.

 

 「多文化共生」社会とは、国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていく社会のことです。この論文では、「多文化共生」に関して、国がどのような施策を展開してきたのか、そして現政府がその施策を破壊しようとしていることが明らかにされています。
 まず国の施策については、2006年に総務省から「多文化共生の推進にかかる研究会報告書」が発表されたことにより、日本でも「多文化共生」社会の構築が国の責務とされたこと。これを受けて、全国で多文化共生推進計画や指針が制定され、批判すべき点は多々あるものの、報告書の趣旨を踏襲した様々な施策が紹介されています。
 「外国人を『生活者』『地域住民』と認めるのであれば、日本人住民を対象とする現行制度をあらため、外国人登録法を廃止し、多文化共生の制度的基盤となる新しい住民台帳を作成すべき」という的を射た指摘もなされています。
 また、多文化共生社会を実現するためには、地方自治体、NPO、当事者たる外国人の声を最大限反映させることが重要であり、国は、憲法や国際人権法を活かして「多文化共生」の基本理念、施策の推進を図る基本法を制定し、自治体やNPO等と連携しながら取り組むべきであると提言しています。
 「多文化共生」社会の実現を阻む壊憲動向としては、ニューカマーに対する差別的取り扱いの例として、リーマンショック後に厚労省のとった対応を紹介し、人権侵害を指摘しています。また、日本語学習機会の保障問題や、朝鮮学校を高校無償化法の適用外としたことやヘイトスピーチなど、在日コリアンに対する差別的取り扱い、さらに特定秘密保護法が外国籍の者に及ぼす影響を指摘し、「多文化共生」社会の構築が責務である国が、本来取るべき対応と現実の対応の違いを明らかにしています。
 さらに、自民党の改憲草案15条3項、94条2項が外国人住民の地方参政権を認めないことを明確にするものであり、民主主義にとって重要な多文化共生社会の構築を阻む方向に向かっていることを指摘しています。

【論文情報】
「法学館憲法研究所報」12号(2015年1月)に収載。筆者は菅原真・名古屋市立大学准教授。

<法学館憲法研究所事務局から>
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