法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『大阪市解体 それでいいのですか? −大阪都構想 批判と対策』

H・O

 

 大阪に特別区を設置することの可否を問う大阪市民の住民投票が5月17日に行われます。大阪市を廃止して「大阪都」をつくるという橋下徹・大阪市長の構想をめぐる天王山ともいうべき投票となります。本書は「大阪都構想」の問題点を明らかにし、真正面から批判する書です。
 橋下市長は「大阪都構想」を唱える理由として大阪府と大阪市による二重行政の無駄を省くことを強調しています。行政の無駄を省くこと自体は必要なことです。しかし、大阪市を廃止することで全体としてどのように行政の無駄が削られ、それがあるべき住民サービスにどう影響するのかは冷静に検討される必要があるでしょう。本書は、大阪市を解体したらむしろ住民サービスに否定的な結果が予想されることを解き明かしています。具体的には、大阪市が解体されて生まれる特別区には財政力に格差があり、これまで大阪市民が全体として享受してきたサービスが保障されなくなること、住民の生活や福祉に関わるニーズと行政との距離が遠ざかることになること、などを指摘しています。地方自治の重要性を謳っていることは日本国憲法の特長の一つです。本書はそのことを具体的に考えさせてくれます。
 本書は住民投票という制度についての考え方も問題提起しています。住民投票は住民の意思を地方行政に反映させる重要な制度ですが、それは住民の様々な意見を封じる手段として用いられる危険性を内包しているということです。
 大阪都構想をめぐっては安倍首相=自民党総裁が地元の自民党を頭ごなしに支援するという事態が生じています。本書は、安倍首相が憲法9条「改正」に向けて橋下市長との連携を図ろうとしている、その思惑と背景についても分析・解明しています。大阪での住民投票のことはもはや大阪だけの問題ではありません。まさにいま、多くの人に読んで欲しい一冊です。

【書籍情報】
2015年3月、自治体研究社から刊行。編者は冨田宏治さん・森裕之さん・梶哲教さん・中山徹さんと大阪自治体問題研究所。本体926円+税。

<法学館憲法研究所事務局から>
当サイトではこれまで、橋下大阪市政の問題も含めて「地方自治・地方公共団体」に関わる様々な情報を発信してきました。こちらもご覧ください。


 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]