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論文「国家緊急権論と立憲主義」

H・O

 

 「@国家権力の法的統制が立憲主義の核心である以上、国家緊急権に関する規定を憲法や法律のレベルで整備しておくことが、立憲主義を守る方法なのか。それとも、A緊急事態法制の整備は「平時」の憲法・法律の性格を変える危険性が高いから、「真の緊急事態」における「超法規的」措置の可能性を容認することで、立憲主義を守るべきか。」
 以上は愛敬浩二教授(名古屋大・憲法学)による、この論文の冒頭の問題提起です。読者のみなさんはどう考えますか。戦争や自然災害などの緊急事態・非常事態が発生したときのために憲法に緊急事態条項を明記すべきとの意見があります。それは自民党も主張していることであり、国民として考えておかねばならないテーマです。
 愛敬教授は、この問題についての学会での議論、最近の諸外国での研究の動向などを紹介しながら、国家緊急権論について理論的に分析しています。それは法哲学に関わる学術的なもので、理解するには深く読み込む必要がありそうですが、刺激的です。
 愛敬教授は冒頭の「Aの立場からの議論が、「立憲主義を守る」という目的を達成するための諸条件について考察」するとしています。そして、結論的に、この議論は「各国の法制度・法伝統・政治状況・社会状況等々の諸条件との関係で個別的かつ実践的に判断されるべきであり、内容空疎な「形式的立憲主義」との関係でこの議論を斥けるのは、「法の賢慮」への無理解を示すものである」としています。
 なお、この結論部分の「注」には、「ソ連、中国、北朝鮮のように日本海で国境を接する諸国を「仮想敵国」としておきながら、日本海側に多数の原子力発電所を設置する「危機感」の欠如した政府に国家緊急権を委ねるのは、国民ひとりひとりの「安全・安心」の保障という観点からみて背理である……」等々を記述しています。

【論文情報】
『危機の憲法学』(奥平康弘・ 樋口陽一編著、2013年、弘文堂)所収。筆者は愛敬浩二・名古屋大学教授(憲法学)。


 

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