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書籍『別冊法学セミナー 新・総合特集シリーズ6 集団的自衛権行使容認とその先にあるもの』

S・K

 

 現在、国会会期を延長して集団的自衛権行使等を具体化する安全保障法制の審議がなされています。本書は、昨年7月1日に集団的自衛権行使を容認する閣議決定がなされ、今年3月20日には、安全保障法整備に関する与党協議会で安全保障法制整備の具体的な方向性について合意がなされ、ガイドライン改訂も行われる中、具体的な法案審議を見据えて刊行されました。
 「T安倍政権と7・1閣議決定」では、まず、森英樹・名古屋大学名誉教授が、7.1閣議決定が安倍政権の一連の動きの中でどのように位置づけられるか明らかにして、安倍路線のゆくえを示し、杉田敦・法政大学教授が安倍政権の政治手法を解説し、現在進められている企業ガバナンスをモデルとした権力一元化に警鐘を鳴らします。浦田一郎・明治大学教授は7・1閣議決定の内容とその手法を解説し、立法阻止の政治的展望を開くための国民の課題も示しています。
 「U憲法原理と平和主義」では、本秀紀・名古屋大学教授が、日本国憲法制定以降、憲法9条2項が軍事法制の展開と共にどのように運用されてきたかを解説した上で、9条2項こそが、平和な世界を実現するリアルで堅実なオルターナティブを示していると指摘しています。また、愛敬浩二・名古屋大学教授は、安倍「改憲」の内容と手法を分析し、7・1閣議決定が日本国憲法の平和主義だけでなく、立憲主義や法の支配にとっても重大な危機であると論じ続ける必要性を論じています。
 「V集団的自衛権と日米軍事協力」では、松井芳郎・名古屋大学名誉教授が、国連体制において集団的自衛権がどのように位置づけられているのか、そして安倍政権の進めようとしている集団的自衛権行使容認が国連の安全保障体制から決定的に乖離することを明らかにしています。倉持孝司・南山大学教授は、日米軍事協力の拡大・強化を目的とする日米ガイドラインの再改訂を憲法の規範的規制力の視点から解説しています。
 屋良朝博元沖縄タイムス論説委員は、沖縄基地の中身を理解しないまま、米軍基地を押し付けていれば日本の安全保障が維持されるという無責任で破廉恥で非民主主義な安保政策はもはや持続可能ではないと指摘します。
 「W安全保障法制の検証」では、青井未帆・学習院大学教授により、安全保障法制の重大な問題点が検討され、城野一憲・早稲田大学法学学術院助手により、自衛隊法制について、今までどのように運用されてきたのか、今後どのように転換されていくのかがわかりやすく解説されています。また、清水雅彦・日本体育大学教授は、特定秘密保護法施行後の状況や問題点を明らかにし、戦争関連法の運用についても情報隠しが危惧されると指摘します。
 「X日本の軍事化と市民社会」では、飯室勝彦・元東京新聞・中日新聞論説委員が歴史を逆転させないためのジャーナリズムの使命と覚悟を、川口創・弁護士は、権力の暴走を止めるため、イラク派兵違憲判決を活かすことを、太田啓子・弁護士が市民間の情報共有と議論の場が現在広がりつつあることを述べています。
 さらに、資料解説として、浦田一郎・明治大学教授による7・1閣議決定のコンメンタールがついており、これを1冊読めば、集団的自衛権行使や安保関連法について考えるための情報が幅広く得られるようになっています。

【書籍情報】2015年4月30日、日本評論社より刊行。森英樹〔編〕定価は1600円+税

<法学館憲法研究所事務局から>
 当研究所の「2015年憲法フォーラム」(PDF)第2回(7月3日(金))で森英樹教授が「戦後日本社会における憲法秩序を問う」(仮)と題して講演します。多くの方々にご参加いただきたいと思います。


 

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