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論文「軍事法制の展開と憲法9条2項の現在的意義」

H・O


 日本は憲法9条2項(前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。)によって戦力を持たない国になりましたが、自衛隊が創設され、それがやがて海外にも派遣されるようになりました。そして今、自衛隊の海外での活動を広げ、そして日本が武力攻撃を受けていない場合でも武力攻撃する(=集団的自衛権の行使)ことまで盛り込んだ法案が衆議院で可決されました。
 この論文は、これまでの日本の軍事法制の展開を振り返ります。旧安保条約(1951年)でのアメリカへの軍事基地提供、自衛隊の発足(1954年)、安保改定(1960年)による日米共同防衛体制の整備、日米防衛協力のための指針(旧ガイドライン、1978年)による自衛隊の役割の拡大、PKO協力法(1992年)による自衛隊の海外派遣、新ガイドライン(1997年)による「周辺事態」における日米間協力計画、テロ特措法(2001年)・イラク特措法(2003年)等での米軍等への自衛隊の支援の拡大、等々のポイントを歴史的に振り返ります。
 筆者の本秀紀教授は、こうした歴史的経過をふまえるならば、今般の集団的自衛権容認等の法制化への動きを批判する際、すでに自衛隊が海外の「戦場」で活動している現状を前提にしては足場が弱い、とします。そして、「加害者にもならず、被害者にもならない。その最も現実的な道は、覇権争いにコミットするのではなく、歴史への反省をふまえて、あえて『丸腰』になることにより、国家レベルでも信頼関係を築くとともに、民衆レベルでも連帯を深めることである」として、論文を「憲法9条2項こそが、平和な世界を実現するリアルで堅実はオルターナティヴを示している」と結んでいます。

【論文情報】
書籍『集団的自衛権行使容認とその先にあるもの』(2015年4月、森英樹編、日本評論社)所収。筆者は本秀紀・名古屋大学教授(憲法学)。

<法学館憲法研究所事務局から>
・本秀紀教授には、以前当サイトに「愛知における5/3市民のつどい」と寄稿していただいています。こちら
・本秀紀教授はいま、今般の安全保障関連法案の問題点を広く知ってもらうため、憲法学者による「全国出前講師団」などの取り組みをすすめておられます。
【関連情報】
STOP!違憲の「安保法制」−憲法研究者共同ブログ
毎日新聞7/12
共同通信7/12


 

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