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書籍『逆走する安倍政治 馬上の安倍、安保を走らす』 

M・I

 歴史学者の纐纈厚(こうけつ・あつし)山口大学名誉教授の新刊です。本書は2部構成となっており、第T部「安保体制が招くもの」では、戦後の日米安保体制の歴史を振り返ります。第U部「安倍政治の本質を暴く」では、「戦後レジームからの脱却」を標榜する安倍政治の本質は、結局のところ「戦前レジームへの回帰」であることを問い、憲法を蔑ろにする政治手法を批判します。そして「安倍政治は、〈戦前回帰・憲法破壊・国防軍創設・強面国家・平和と民主主義の破壊〉を目指すものであり、そこに安倍政治の本質が浮き彫りにされる」と結論付けます。
 著者は、安倍首相の指導者としての資質にも疑念を呈します。すなわち「一国のリーダーは、公正で普遍的かつ平和主義に裏打ちされた歴史認識を語ることが求められている。当然そのためには、歴史的事実に謙虚でなくてはならず、恣意的な歴史解釈や、ましてや歴史修正や歴史否定は言語道断である」。歴史研究者としての著者の歯軋りする思いが伝わってきます。著者の問題意識は更に、安倍政権に入って一段と加速されている日本社会の監視社会化に向かいます。監視社会とは、管理社会のように国家の統制や強制の結果生み出される社会ではなく、国民が自ら参加して形成される社会です。それは市民の自立や自由を制限し、国家の論理が最優先される社会です。それは安全と安心を国民に売りつけ、国家が自在に振る舞う体制を築こうとするものです。私たち市民は、このような監視社会から脱することが求められていると著者は訴えます。
 最後に著者の呼び掛けを紹介します。「@集団的自衛権を容認した閣議決定の撤回、A安保関連法の廃止、B立憲主義と民主主義の取り戻し、という共通目標を掲げる国民総がかり運動が展望されるべきではないか。これに集約される行動なくして、逆流する安倍政治にストップはかけられない。」

【書籍情報】

2016年4月に日本評論社より発行。著者は纐纈厚山口大学名誉教授。定価は1,700円+税。

【関連書籍】

書籍『監視社会の未来—共謀罪・国民保護法と戦時動員体制』
三宅義子・纐纈厚編『憲法の力』(日本評論社)
纐纈厚『集団的自衛権の深層』(日本評論社)



 

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