法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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書籍『いまこそ知りたい!みんなでまなぶ 日本国憲法』(3巻セット) 

M・I

「明日の自由を守る若手弁護士の会」による絵本風日本国憲法入門です。対象年齢は小学校高学年ですから、早くて易しい主権者教育の本の一冊といえます。全3巻の構成は「1 立憲主義・国民主権」「2 基本的人権」「3 平和主義」と憲法の基本3原則に沿っています。
 各章始めに子どもへの問題提起となる漫画があります。それぞれの章は「立憲主義・国民主権」の巻ならば「憲法は、国が守らなければならないルール」「多数決は、本当に正しい決め方?」などわかり易い章立てです。しかし、その内容は、前者の章ならば「権力を持っている国会議員や大臣の行動ルールが憲法」「個人の自由を守るために、権力がしてはならないことを決めておくことを、『立憲主義』といいます」とあり、後者の章ならば「憲法十三条には、『すべて国民は、個人として尊重される』と定められています。ここでだいじなのは『人』として尊重されるということではありません。あくまでも、それぞれ個性をもった一人ひとりの『個人』を尊重するとされていることです」という記述があります。前者は、まさしく立憲主義の本質を衝いた記述であり、後者は、見事な「自民党改憲草案」批判になっています。
 このように表現は平易ながらレベルは高く「日本国憲法はおしつけ憲法なの?」の章では、鈴木安蔵らの憲法研究会の憲法草案要綱まで紹介されています。
 更に今問題となっている緊急事態条項や、「基本的人権」の巻では同性婚やヘイトスピーチなど時宜を得た話題が採り上げられています。
 「平和主義」の巻も力作です。「日本国憲法は、永久に戦争をしないと、宣言しています」の章では、戦争の反省からつくられた日本国憲法が、「そうはいっても、もし、戦争をしかけられたらどうするの?」の章では、自衛隊の歴史や集団的自衛権について、「学校の真上をアメリカ軍の戦闘機が飛ぶ国」の章では、沖縄の問題が取り上げられています。憲法前文と第九条がさまざまなエピソードを通して徹底的にわかりやすく、しかも説得力溢れる筆致で記述されています。
 体裁は小学校高学年向きですが、装丁と各章の問題提起になっている漫画部分を除けば、実はその兄姉や、親向けの啓蒙書となっている好企画の憲法入門書です。

「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」

【書籍情報】
2016年4月にポプラ社より発行。編著者は明日の自由を守る若手弁護士の会。定価は9,000円+税。

【関連書籍】
角替晃監修『日本国憲法』(ポプラ社)





 

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