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ブックレット『安保法制違憲訴訟−憲法を取り戻すために』

M・I

 2015年9月に結成された「安保法制違憲訴訟の会」が出す初めてのブックレットです。安保法制違憲訴訟の意義や訴訟内容を明らかにすることを目的に作成されており、この訴訟の理解には最良の一冊と言えます。
 第T章は、安保法制違憲訴訟の会の共同代表である寺井一弘弁護士と同じく共同代表である法学館憲法研究所所長の伊藤真弁護士が「私たちが安保法制の違憲訴訟を提起する意義について」を述べています。集団的自衛権行使を容認する安保法制は、立憲主義に背反し「このような安保法制に対して司法が沈黙することは、基本的人権を保障することを使命とする司法権、そして憲法の基本的な目的に背馳し、それらの存在意義を根底から危うくするのではないかと考えた次第です。これは平和国家の危機でもあります。」「私たちは立憲主義を確立し、法の支配を回復するために、安保法制違憲訴訟を提起することが、国民の期待に応える私たち法律家の『責務』であると考えました。」
 そして、この訴訟提起こそ法律家としての弁護士の職責であり、また、「非立憲政治に歯止めをかけ、憲法秩序を回復する役割を担うことができる国家機関は裁判所しかありません」と司法の役割を問うています。
 更に、「この裁判の目的が、単に違憲判決を得ることに尽きるものではな」く、「裁判を通じて社会にインパクトを与えながら世論を形成し、政治過程を通じて違憲状態を矯正することにも重きを置きたいと考えています。」すなわち、この訴訟を国会での廃止に向けた国民運動の一環と位置付けています。
 以下、第U章では、多彩な原告の決意表明が掲載され、第V章では「安保法制違憲訴訟を支える会」の呼び掛け人の一人であるルポライターの鎌田慧氏がエールを寄せています。
 第W章では、「裁判所に求められるものは何か」と題する青井未帆学習院大学大学院法務研究科教授による憲法学者からの連帯メッセージが収録されています。その中で青井教授は、三権分立の中で他の権力を抑制するための権限を持ち、政治部門を外からチェックする機関である裁判所の責務に注目します。これが違憲審査権であり、その際に裁判所の行う「総合的な判断」の要素にあるのが、市民の意識や社会の動向だと指摘します。集団的自衛権行使容認の閣議決定、安保関連法の強引な制定等々の安倍政権の行為に、市民から「おかしい」という声が上がり、また裁判所の判断が求められるのは、日本国憲法の下で自然なことだと、教授は述べています。
 第X章「違憲訴訟Q&A」は、法律の知識がない人にもわかるように今回の訴訟を説明しています。そして最終の第Y章「差止請求行政訴訟及び国家賠償請求訴訟(訴状要約版)」でブックレットは締め括られています。まさしく本ブックレットは、安保法制の破棄、立憲主義と平和主義を守る世論を高める上で、市民必読の一冊となっています。

※ こちらもお読み下さい。
マガジン9

【書籍情報】
2016年6月に、かもがわ出版より発行。編著は安保法制違憲訴訟の会。定価は600円+税。

【関連書籍】
法学館憲法研究所編『伊藤真が問う 日本国憲法の真意』(日本評論社)
青井未帆『憲法と政治』(岩波新書)

<法学館憲法研究所事務局から>

「事務局からのお知らせ」(2016年4月25日)で、「4.20安保法制違憲訴訟 提訴決起集会」の模様をご案内しています。

 


 


 

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