法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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書籍『憲法カフェへようこそ 意外と楽しく学べるイマドキの改憲』 

M・I

 日本全国のみならず、海外でも開催されている「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」主催の憲法カフェの誌上ライブ版です。憲法カフェに参加できない読者には嬉しい一冊です。
 憲法カフェは、最近の改憲論議に対して、憲法を変えるかどうかの議論をすべき前提として、まず、憲法が何のためにあって、どのような役割・機能があるのか、いまある法律が憲法とどのような関係にあるのかを知っていなければならないという問題意識から始まりました。このカフェは、憲法を一度も勉強したことがない、日本国憲法をよく知らないという人でも広く参加できる"場"となっています。
 第1章「憲法カフェ 憲法ってなあに?から立憲主義まで」は、いきなり○×クイズから始まります。実際の憲法カフェでもそうなのでしょう。クイズ「国民は憲法を守らないといけない。○か×か?」。これは憲法を勉強したことがない人のほとんどは「○」と答えるでしょう。答えは「×」で、国民は憲法を守らなくていい。守る法的義務はないのです。ここで、「えぇ〜っ」という参加者の声が聞こえてきそうです。うまい出だしですね。○×クイズは更に「@国の主人公は誰ですか?A憲法と法律は、何が違うのでしょうか?B法律を守らなくてはいけないのは誰ですか?C憲法を守らなくてはいけないのは誰ですか?」と続きます。ここで「憲法というのは、その性質上、国家権力側に、ああしろ、こうするな、というふうに命令して国家権力を縛るものであって、国民から国家権力側に対して向けられているルールです」と立憲主義が明らかにされます。
 第2章「9条カフェ 戦力の放棄、新安保法制、改憲による国防軍の創設」では、2015年に成立した新安保法制の問題点を平易な言葉でなおかつ明解に解説しています。まず新安保法制が認める集団的自衛権の行使容認ですが、明らかに憲法9条違反、立憲主義違反です。更に新安保法制で拡大された自衛隊の後方支援や駆けつけ警護の危険性も指摘されます。
 以下、第3章「秘密保護法カフェ 安保とコラボで戦争できる国づくり」、第4章「緊急事態条項カフェ 自民党の改憲草案の紹介をしつつ」、第5章「民主主義カフェ 選挙・政治アクション、『不断の努力』」と続きます。どの章も、わかりやすい一覧表や親しみやすいイラスト付きでスラスラと読め、なおかつ考えさせられる内容となっています。第5章が読ませます。民主主義と言えば、選挙しか思い浮かばない人がほとんどでしょうが、民主主義を実現する方法は選挙だけではありません。この章では「これならできるアクションリスト」が載っています。そこには「メディアを通じて」や「アピール行動で」「政治家や政党に対して」などの7つのタイプ別に、初級から中級、上級、達人!までのアクションが示されています。例えば「政治家や政党に対して」ならば、初級は「政治家や政党のビラやHPを見る」、中級は「政治家や政党宛に意見を送る」、上級は「政治家や政党の選挙活動などをする」、達人!は「自分が政治家になる」となります。「あすわか」の共同代表・黒澤いつき弁護士(出産8ヶ月後に安倍政権が復活してとっさにあすわかを立ち上げたと自己紹介)の言葉です。「誠実に考え、対話する主権者が一人、また一人増えていって、声を上げる主権者もどんどん増えていけば、確実に世論が豊かに育っていきますよね。参考になる意見や情報がどんどん増えていって、たくさん考え、たくさん議論できる。それを国会や政府が受け止めて、政治が動いて、また国民が新たなアクションを起こす。最終的には投票という最強の政治参加をすることで意思表明して、政治に反映させる。これこそが民主主義のサイクルです。」
 各章末のあすわかの弁護士コラムと巻末のプロフィールも楽しく読める一冊です。コーヒーを片手に入店してみてください。

「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」

【書籍情報】
2016年5月にかもがわ出版より発行。編著者は明日の自由を守る若手弁護士の会。定価は1,200円+税。

【関連書籍】
明日の自由を守る若手弁護士の会『いまこそ知りたい!みんなでまなぶ 日本国憲法』(ポプラ社)

<法学館憲法研究所事務局から>
・当サイトの「今週の一言」に、あすわかの橋本智子さんによる『「憲法カフェ」スペシャルイベント、「ケンポー×ゲラゲラポー」(大阪)』をご寄稿いただいています。






 

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