法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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書籍『憲法くん』

M.I

「憲法くん」という一人芝居があります。コント集団「ザ・ニュースペーパー」にも参加していたピン芸人の松元ヒロさんが、日本国憲法を人間に見立てて、その大切さをユーモラスに演じる8分ほどの短いネタです。この一人芝居は、観客に語りかけるところから始まります。
 「こんにちは、憲法くんです。姓は『日本国』名は『憲法』、『日本国憲法』です。すこし、とっつきにくい名前ですね。だから、ともだちみたいに『憲法くん』とよんでください。」
 初演は、憲法施行50年目の1997年でした。この芝居の中で音読されるのが、日本国憲法前文です。かつてこの芝居を観た作家の井上ひさし氏は、終演後に楽屋に飛び込んできて、「日本国憲法の前文、感動しました。ヒロさんが語る前文からは、とても深い思想を感じました」と言って握手を求めたそうです。一人芝居「憲法くん」を観た落語家の立川談志師匠も「こんな芸を観たのははじめて。みごとにしゃべって、みごとに照れて、いやなところがひとつもなかった。これだけの芸人はいません」と絶賛、放送作家の永六輔氏も熱心な応援者でした。その一人芝居が、絵本作家の武田美穂さんの協力を得て、絵本化されました。異色の絵本と言っていいでしょう。実にほのぼのとした味わいのある絵がそこにはあります。
 憲法くんは「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義」という「この三つの考え方を、理想としてかかげています」と、その「からだ」を紹介します。そして「みなさんは、憲法とは、国の力を制限するための、国民から国への命令書だということを、知っていますか?」と立憲主義についてもちゃんと語っています。更に「へんなうわさを耳にしたんですけど、ほんとうですか。わたしがリストラされるかもしれない、というはなし。」と続きます。これは気になります。
 焼け跡の瓦礫の上に小さな女の子がすわっている印象的な絵があります。そこに松元ヒロさんの語りが重なります。「わたしというのは、戦争が終わったあと、こんなに恐ろしくて悲しいことは、二度とあってはならない、という思いから生まれた、理想だったのではありませんか。」「理想と現実がちがっていたら、ふつうは、現実を理想に近づけるように、努力するものではありませんか。」
 憲法くんは語りかけます。「初心に帰ってみましょうよ。わたしの初心、わたしの魂は、憲法の前文に書かれています。こんなふうに始まっています。」以下、日本国憲法前文が続くのですが、このあたりは一人芝居を生でぜひ観たくなるところです。
 ラスト近くの憲法くんの名セリフがいい。「わたしは、この七十年間、たった一度も、戦争という名前
のついたおこないで、人を殺したことも、人に殺されたこともありません。わたしは、そのことを誇りに思っています。」
 最近は「憲法くん」を演ってほしいという要望がとても多くなってきたそうですが、これは広まってほしいものです。幼い子どもや孫に憲法のことを読み聞かせてあげたいと思っている方には、ぜひ手にとって欲しい一冊です。

【書籍情報】
2016年12月に講談社から発行。作:松元ヒロ。絵:武田美穂。定価は1400円+税。

【関連書籍・論文】
明日の自由を守る若手弁護士の会『いまこそ知りたい!みんなでまなぶ 日本国憲法』(ポプラ社)

<法学館憲法研究所事務局から>
・この書籍の著者の松元ヒロさんは以前当サイトで「今週の一言」にも登場していただいています。
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