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ブックレット『沖縄の基地の間違ったうわさ 検証34個の疑問』

M.I

 本土と沖縄県では、既に「温度差」レベルを超えた「沖縄差別」と沖縄県民が感じるほどフェイクニュースと言える報道がしばしばなされています。このブックレットは、沖縄の基地をめぐるウソとデマを佐藤学沖縄国際大学教授とフリーランスライターの屋良朝博氏、島袋純琉球大学教授、星野英一琉球大学教授、劇作家の宮城康博氏が、次々と事実と数字で暴いていきます。その検証は、副題にあるように34個にのぼります。
 冒頭の検証は、多くの本土人が思い込んでいる「米軍が駐留しているのは、日本を守るため?」です。
これには元海将で自衛艦隊司令官だった香田洋二氏がずばり答えています。「大多数の国民は日米安保で米国は日本を守ってくれると思っているが、違う。日本を守るのは自衛隊です。(中略)例えば尖閣諸島程度の小島を米軍が守るはずがない」。
 「『世界一危険』な普天間基地。辺野古に移ればもっと安全?」、これもうっかり遠くに移せばいいと思い込んでいる本土人も多いはずですが、佐藤教授は「普天間と辺野古の直線距離をグーグルマップで測ったら三六kmしかないのを知ったのはほんの五年ほど前で、あまりの近さに驚愕しました。辺野古は遠隔地ではないのです」と指摘しています。
 「沖縄は基地負担の見返りにたくさん補助金をもらっている?」、この疑問も誤解が多いものですが、国庫交付金などに基地の見返りという考え方が入る余地はありませんし、沖縄振興開発特別措置法をはじめ、あらゆる公式文書の中には、基地の見返りとして高率補助が設定されたという文言はどこにも見当たりません。
 「米軍が撤退したら基地で働く人は困るでしょう?」、これもよく言われることです。これには有力な反論があります。「一九七二年の復帰前後に大規模な基地返還がいくつかあり、そこはいま商業地、観光地として活況を呈し、以前の何十倍も利益を上げています。那覇市新都心地区はかつて芝生が広がる米軍住宅地、当時の基地従業員は一六八人でした。現在は返還跡地に大型スーパーやホテルが集積し、雇用は一万五五六○人で九三倍増。ヘリコプター基地だった頃の北谷町ハンビー飛行場は従業員一○○人でしたが、観光商業地に変身し二○○○人超が働いています。」
 「辺野古基地に反対するとアメリカとの関係が悪くなる?」、検証は外交問題にも及びます。これも明解な回答があります。「本来、自国予算で整備しなければならない海兵隊航空基地を日本の金で造らせることができる、というアメリカにとって『お得な話』に過ぎない小ネタが、日本の命運を握るかのように話が盛られているのです。『辺野古に反対したらアメリカとの関係が悪くなる』のではなく、『辺野古を造ろうと造るまいと、アメリカは自らの利益を最優先にして行動する』のです。」
 その他にも、「海兵隊ってどういう軍なんですか?」、「海兵隊は沖縄で何をしているの?」、「中国は沖縄を狙っている?」などの興味深い話題だけでなく、「沖縄の基地反対運動には日当が支給される?」というフェイクの極致まであります。最後の回答はもちろん「高江や辺野古での反対運動に参加すると日当が支給されるというのは、ほんとうにトンデモで荒唐無稽なデマです。」
 今こそ沖縄の真実を日本人すべてが確認したいものです。

【書籍情報】
2017年11月に岩波書店から発行(岩波ブックレット)。編者は佐藤学沖縄国際大学教授・屋良朝博氏。定価は580円+税。

【関連書籍・論文】
森住卓『沖縄戦・最後の証言—おじい・おばあが米軍基地建設に抵抗する理由』(新日本出版社)
法学セミナー 特集『沖縄・辺野古と法』(日本評論社)





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