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ブックレット『翁長知事の遺志を継ぐ 辺野古に基地はつくらせない』

S.K

 8月8日、沖縄の自治獲得のため命がけで闘い抜いた翁長知事が逝去されました。翁長知事の急逝を受け、自治体研究社から「翁長知事の遺志を継ぐ 辺野古に基地はつくらせない」が緊急出版されています。
 8月11日に開催された「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める県民大会」では7万人が翁長知事への追悼と共に、翁長知事の遺志を継ぎ、心ひとつに闘い続けることを誓い、また、全国各地でも辺野古新基地建設反対を訴える県民大会連帯の集会も開催されました。
 沖縄県知事選は9月13日に告示され、30日に投開票となります。安倍政権は、知事選で辺野古新基地建設が最大の争点とならないよう、埋め立て承認撤回に対する工事再開に向けた対抗措置の申立てを10月以降に先送りし、さらに自公の全面協力体制を復活させ、政府を挙げて総力戦で臨もうとしています。
 本ブックレットは、沖縄の歴史・文化と沖縄の人々の生命・人権・自治・平和を命がけで守ろうとしてきた翁長知事の遺志を継ぎ、「辺野古に基地をつくらせない」闘いのための重要なエッセンスが詰まった1冊ですので、是非とも多くの方々に活用していただきたいと思います。
 第1部の「傍若無人な国の埋立工事強行は許せない」では、まず、宮本憲一氏(滋賀大学元学長・大阪市立大学名誉教授)が、翁長氏の「沖縄をアジアの平和基地に」という想いを紹介し、翁長氏の政策が日本国憲法体制の核心であり、特に安全保障と地方自治の関係、さらに持続的発展のための環境保全の在り方を問うものであることを明らかにしています。
 つづいて、紙野健二氏(名古屋大学名誉教授)は、なぜ沖縄で軍事基地が許されてきたのか、辺野古問題の展開とそこで示された翁長知事の足跡・想いを確認し、承認撤回への闘いを展望しています。
 安部真理子氏(日本自然保護協会自然保護室主任)は、埋立承認の撤回の最大の根拠となっている生物多様性に富む辺野古・大浦湾の自然環境の破壊に関し、いかに貴重な場所であるか、環境影響評価の問題点、すでに生じている影響などをわかりやすく解説しています。
 亀山統一氏(琉球大学助教)は、計り知れない辺野古・大浦湾の生態系の価値、沖縄戦から「基地の島」となり沖縄島の自然が破壊されてきたこと、子どもたちが沖縄に住み続け、観光業、農業、食品・健康産業といった地場産業を存続させていくために沖縄の自然環境の維持が必須条件であることなど、辺野古・大浦湾を守る意味を掘り下げています。
 川瀬光義氏(京都府立大学教授)は、4年前の知事選で大きな支持を得た、翁長候補の「基地は経済発展の阻害要因」というスローガンの意義を突き詰めています。基地を押し付けられたことにより失ってきた「潜在的利益」や、沖縄の潜在力を具体的に示し、沖縄は基地に依存しているのではなく、膨大な基地に寄生されて、経済発展の機会を奪われていることを明らかにしています。
 第2部の「飛び立つ沖縄未来へのメッセージ」には、仲地博氏(沖縄大学学長)の「翁長知事—残したものと遺志の継承」、高良鉄美氏(琉球大学教授)の「沖縄と憲法」、我部政明氏(琉球大学教授)の「米国の海外基地と地位協定」佐藤学氏(沖縄国際大学教授)の「沖縄の平和」、島袋純氏(琉球大学教授)の「沖縄の自治」、前泊博盛氏(沖縄国際大学教授)の「脱「基地経済」に挑む沖縄経済」、島袋淑子氏(ひめゆり平和祈念資料館前館長)の「「戦争はさせない」の心を受け継いで」、桜井国俊(沖縄大学名誉教授)の「翁長知事の死を無にしてはならない」が収載されています。
 白藤博行氏(専修大学教授)のあとがきでは、翁長知事が亡くなる直前、七夕飾りの短冊に「平和!心ひとつに 誇りある豊かさを」と書かれたことを紹介し、翁長知事が「魂の飢餓」(自由・平等・人権・自己決定権に対する沖縄県民の喪失感)を嘆くだけでなく、「誇りある豊かさ」論で経済的豊かさの追求だけに走りがちな「保守」と平和主義の徹底などの誇りだけに走りがちな「革新」を「心ひとつに」したこと、翁長知事と沖縄県民がひとつになった平和への希いはまさに人間の尊厳を追求するものであったことなどが語られています。

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【書籍情報】2018年9月、自治体研究社より刊行。編著者は宮本憲一・白藤博行。定価は600円+税。

【関連書籍・論文・HP】
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  今週の一言「平和憲法を問う沖縄」仲地博さん
  今週の一言「集団的自衛権の行使に関わる憲法上の問題点」高良鉄美さん
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  特集『沖縄・辺野古と法』
  書籍『沖縄戦・最後の証言ーおじい・おばあが米軍基地建設に抵抗する理由』 
  書籍『脱日米同盟と自治体・住民 −憲法・安保・基地・沖縄』
  書籍『沖縄の自立と日本  「復帰」40年の問いかけ』


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