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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

中電アスベスト裁判

弁護士 中山 弦

名古屋第一法律事務所(ニュース)(2009年8月号)に掲載されたものを同事務所のご了解を得て紹介します。
(法学館憲法研究所事務局)

 この裁判は、火力発電所における勤務期間中にアスベスト粉じんにさらされたことによって悪性胸膜中皮腫に罹患し死亡した中部電力の元従業員、藤原健二さんの遺族が、中部電力を相手に損害賠償を求めて提訴した事件です。
 去る2009年7月7日、名古屋地方裁判所は、中部電力に「労働者の生命身体の安全に配慮すべき義務」(安全配慮義務)の違反があったことを認め、中部電力に対して3000万円の支払いを命ずる判決を下しました。
 中部電力は、この訴訟の中で「会社は、アスベスト製品の最終ユーザー過ぎず、アスベスト粉じんによる健康被害を予見できなかった」などと主張し、安全配慮義務違反の存在を全面的に争ってきました。今回の判決は、この中部電力の「ユーザー論」を完全に否定し「中部電力は、昭和35年の時点で、アスベスト粉じんによる健康被害を予見できた。」として、会社の安全配慮義務違反を明確に認めました。
 亡くなられた藤原健二さんは、苦しい闘病生活の中、アスベスト被害で苦しんでいるのは自分だけではないとの思いから、会社の責任を追及すること決意し、その思いを遺族に託したまま亡くられました。
 これまで多くの職場で、労働者の健康を守るための対策がとられないままアスベストが使用されてきており、無防備な状態でアスベスト粉じんに晒されてきた労働者は膨大な数に上ります。アスベストによる健康被害が長期に渡る潜伏期間の後に発症することからすると、今後ますます多くのアスベスト被害が明らかになってくるのは確実です。
 中部電力の安全配慮義務違反を明確に認めた今回の判決は、現在及び将来明らかになるであろうアスベスト被害者の救済という観点かも大きな意味のある判決です。

 

 
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