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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

ハンセン病国賠訴訟(5) ソロクトでの被害とは1

I・M記

 今回は、ソロクト裁判で問われている被害実態についてご紹介します。被害といっても実に多様なのですが、今回は、労働の強制と懲戒、断種・堕胎についてとりあげたいと思います。

労働の強制
 ソロクトでは、収容された入所者に対して強制労働がなされました。主な内容としては、重症者の付き添い看護や土木事業、煉瓦製造、かます製造、製炭事業、松脂の採取、兎毛皮生産、荷物運送などです。
 ソロクトの更生園では、土木作業について広く入所者の労働力が利用され、収容施設や桟橋の建設などは、入所者の労働力に依存していました。
 また、同園では、建物の建設において煉瓦が使用されていましたが、これは島内に設けられた煉瓦工場で入所者によって製造されたものでした。なお、ここで製造された煉瓦やかますは、島外にも出荷されていました。
 こうした作業は、煉瓦製造などの重労働に耐え得ない不自由者などにも強制され、とくに手の不自由な人たちには負担の重い作業でしたが、生産のノルマが課せられ、それを達成することが強制されていました。

懲戒
 更生園では、日本国内における国立療養所と同様に、施設長に懲戒検束権が与えられ、入所者には日本国内よりも厳しい規則が課せられていました。
 規則に違反した者は、島内に設けられた監禁室に監禁されるということが多々ありました。さらに、同園では、しばしば職員が入所者に対して素手や棒で殴りつけるといった懲罰も加えられました。懲罰によって死亡した入所者の数も少なくないといわれています。また、懲罰として断種が行われたという例も多数存在しています。

断種・堕胎
 更生園では、断種や堕胎も行われていました。同園では、日本国内の国立療養所と同じく、結婚の条件として男性には断種が強制され、また妊娠した女性に対しては堕胎が強要されていました。現在も、更生園には、当時使用されていた断種台が残されています。こうした施策(絶滅政策)は、ハンセン病の子孫は残させないという優生学思想に基づき行われていました。また、懲罰としても、断種が行われるということがあり、たとえば、木を切ったというだけで断種させられた人もいたほどでした。

 今回は、被害実態のうちでも、とくに労働の強制と懲戒、断種・堕胎について、簡単ですが紹介しました。次回は、医療やその他の権利侵害についてご紹介したいと思います。

【参考URL】
http://www15.ocn.ne.jp/~srkt/
(ソロクトの更生園の写真や地図などをみることができます。断種台などの画像もあります)

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