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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

日の丸・君が代訴訟(3)─解雇訴訟

T.O.記

 2005年1月26日、君が代解雇訴訟の第4回口頭弁論が開かれました。この裁判は、定年退職後に嘱託として都に再雇用された元教員たち9名が、卒業式の「君が代」斉唱時に不起立だったことを理由として、契約の更新を拒否され、あるいは内定を取り消されたため、地位の確認と損害賠償を求めて争っている訴訟です。

 この日は、およそ50枚の傍聴券を求めて、150人を越える傍聴希望者が集まりました。幸い、私は傍聴券を引きあて、裁判を傍聴することができました。

 この日の口頭弁論では、契約更新の拒否ないし内定取消を決定した都教育委員会の議事録の開示をめぐって、原告代理人・被告代理人が双方の見解を主張しました。被告側は、一部の開示を認めたものの、それ以外の部分については、本件と無関係だとして公開を拒否しました。これに対し、原告側は、関係があるのかどうかを判断するために、すべて代理人に公開するよう要求しました。これに対して被告側は、この裁判とは別の裁判での公開が求められており、その裁判では公開を拒否していることなどを挙げ、当初の「本件とは無関係」という理由以外の不開示理由を挙げ、再度拒否しました。そのため、この日は決着せず、後日の進行協議で改めて決定することになりました。

 そして、次回期日までに、原告側が200頁に及ぶ準備書面を提出することを約束し、さらに膨大な書面であることから、口頭での要旨陳述を請求し、30分の時間を取ることが決定され、閉廷となりました。

 その後、近くで行われた集会では、まず、傍聴できなかった人たちに対して、代理人からこの日の裁判について報告がなされました。続いて、「君が代」斉唱をめぐる他の裁判(予防訴訟、藤田事件)についても報告がなされました。

 そして、9人の原告のうち、2名があいさつをしました。Aさんは、多くの箇所を黒く塗りつぶさねば公開できないような議事をやっている都教委に対する批判を述べた後、憲法がこの裁判の根拠となっていることに触れ、現在広がりつつある改憲の動きに対して憲法を護ることが、この裁判にとって重要であると述べました。

 Bさんは、まさか解雇されるとは思っておらず、昨年の4月2日に契約の更新はしないと聞かされた日の驚きを述べました。頭の中が真っ白になったといいます。そして、時折以前の職場に顔を出すが、本来なら自分のことを知っている1年生が自分のことを知らない悲しみ、2・3年生が「先生、来年は教えてくれるの?」と聞いてくることについてのつらさなどを語り、早く職場に復帰したいと訴えました。

 さらに、昨年の卒業式の「君が代」斉唱時に起立せず、そのことで処分を受けた教師のうち、今年定年となる教師が、再雇用の申請をしたところ、そのうち4名が不合格となったことが報告されました。合格した人に対しても、勤務態度を改めるという誓約書を書かせたということも、あわせて報告されました。

 不合格とされたCさんは、たった一度の不起立で、定年退職後の再雇用を拒否されたことになります。これは、裁判で争うことが難しく、また、定年を数年後に控えた教師たちに対して、大きな圧力となるものです。都教委は、教師に対して「君が代」の強制を徹底するつもりのようです。この問題については、引き続き報告していきたいと思います。

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