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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

イラクへの自衛隊派遣違憲訴訟―(2)
東京イラク派兵違憲訴訟−毎日,毎日 提訴運動−

弁護士 福山洋子さん(弁護団・第二東京弁護士会)

 本年3月17日,「イラク派兵違憲訴訟の会・東京」が呼びかけた<毎日,毎日 提訴運動>がスタートし,5月26日には,2人目の提訴者である評論家佐高信さんの第1回口頭弁論が開かれ,思いの丈を込めた意見陳述が行われました。東京訴訟の口頭弁論としては最初のものであり,ようやく緒戦開始という段階です。

 この東京の訴訟は,自衛隊が遂にイラクへ派兵されたことを受け,土日を除く毎日一人ずつが−もし可能なら自衛隊がイラクから引き上げるまで−イラク派兵を違憲なものとして裁判所に提訴するという運動です。これまでの提訴者は,5月28日現在49名で,佐高信さんの他に,軍縮・安全保障問題専門家の前田哲男さん,ルポライター鎌田慧さん,国際問題評論家の北沢洋子さん,憲法学者の古関彰一さんといった方々も,そしてもちろん弁護士や平和運動に携わってきた様々な人々も含まれています。原則本人訴訟であり,一人一人が,それぞれの思いを込めた提訴を行っています。今後提訴を待つ原告予定者はまだまだ待機中です。

 ご承知のとおり,これまでも数々の違憲訴訟は提起されてきましたが,その度にこの国の裁判所は,憲法第9条に関する事項については,砂川事件最高裁判決(1959年12月16日)において,いわゆる「統治行為論」を述べて判断を回避して以降,その責務を放棄して違憲判断を回避するという対応を繰り返しています。このような裁判所の姿勢に対して,毎日一人が提訴することで,それが職権の発動を怠っている裁判所を覚醒させるための「主権」の行使であることを裁判所に理解させる。そして,憲法違反であることが明白であるイラク派兵に至ってなお,裁判所が「統治行為論」によって違憲立法審査権の行使を躊躇するならば,それは憲法第81条が規定する「憲法の番人」としての役割の放棄になることを,一人一人が主権者の立場から,なるべく多くの裁判官一人一人に問いかけるという意味を,この運動に込めています。

 毎日の提訴は,東京地裁の各部に続々と係属されています。おそらく裁判所では,各訴訟をいくつかの部に集中させ,同じ部に係属した訴訟は併合する手続を採ってくるものと思われます(現にそのような状況が始まっています)。それでも,これまでに係属している部は14部にのぼっており(東京地裁の通常部は約40部ある),少なくともそれだけの数の判断を,裁判官たちは下さねばなりません。中には,福岡地裁で靖国違憲判決を書いた亀川清長判事のような,「憲法と法に殉じる」勇気と気概と優しさを持った裁判官がでないとも限らないのです。

 そのためにも,私たちは今後この訴訟の中で,この国の政府による憲法・立憲主義破壊の現状を強く訴えていきたいと思っています。

 なお詳細と各訴訟法廷の日程は下の「イラク派兵違憲訴訟の会・東京」ホームページ(http://comcom.jca.apc.org/iken_tokyo/ )をご覧下さい。法廷傍聴による応援も大歓迎です。機会があれば,また今後の状況をお知らせしたいと思います。

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