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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

イラクへの自衛隊派遣違憲訴訟―(5)
「派兵は決定的違憲」市民訴訟の会・山梨について

「派兵は決定的違憲」市民訴訟の会 事務局員 茅野勇)

 私たちは、2004年8月6日、広島への原爆投下の日に、自衛隊イラク派兵の違憲確認・差止及び原告らの精神的苦痛に対する慰謝料請求の3点について、原告225人により、国を被告として、甲府地方裁判所に提訴しました。
 ここに至る経過は、2002年12月に米国のイラク戦争を阻止するために山梨県内で発足した市民グループのメンバーの有志を中心に、2004年2月頃、北海道の元自民党代議士箕輪氏による提訴、愛知での提訴準備の情報を聞き、山梨でも違憲訴訟を起こせないかとの声が出たことがはじまりでした。その後、何回かの準備会を経た中で、多少の異論や懸念が出たものの、参加者の大多数が訴訟に積極的であり、同年4月13日、本会の発足集会を甲府で開催しました。その後、オブザーバーとして参加していただいた弁護士の意見などを参考に、原告会員、賛助会員を募るとともに、事務局体制を作り、その中で、事務局のメンバーで訴状作りに着手しました。
 東京訴訟や愛知訴訟の中心メンバーとも連携する中、当初は、もっと早い時期での提訴を目指しましたが、とりわけ、地方で弁護士の人数が少ない土地柄のため、代理人を引き受けてくれる弁護団の結成に時間と労力を費やし、当面、県内外の弁護士6名を代理人とすることで、8月6日、提訴の運びになりました。
 訴訟の特色は、正に普通の市民グループが手作りで作り上げたものであること。また、訴状は、事実関係については、一般に公開されている、新聞や書籍だけではなく、インターネットによるメーリングリストなどから寄せられた多数の情報を手がかりに、英文情報を翻訳するなどして、イラクの現実にできる限り、迫ろうとしたこと。そして、被侵害利益である平和的生存権を現代的に再構築する試みをしたことです。
 具体的には、平和的生存権が憲法前文を規範として全世界の人びとに保障された基本的人権であることを確認するとともに、その人格権侵害が山梨北富士演習場に隣接して設置されたサマワ模擬軍事訓練施設から生じる具体的、個別的侵害であること。平和生存権を積極的に実現するため、NGO、国際ボランティア、その支援者の行為が、正に憲法前文の理念を体現する行為であるとして、平和追求権を宣言したこと。緊急かつ急迫な政府の決定的な確信犯的違憲行為については、平和的生存権の侵害予防としての現状回復請求権が生じることなどを主張しています。
 現在、県内外からの第2次提訴の原告を募集しています。
 国際貢献や人道支援は、政府や自衛隊の専管事項ではなく、これまでの歴史の中で、NGOなどの民間団体や個人が担ってきたことを重視し、平和追求権を提唱しました。この権利は、今後の訴訟の中で、さらに、主張、立証し、肉付けしていかなければなりません。原告の中には、著名なNGOのメンバーも含まれていますが、そのほか、様々なNG0や国際ボランティアと協力し、その実績、役割、現場の姿を裁判所に訴えていくことが不可欠になります。どうか、活動に関係している多くの方々に原告になっていただいたり、法廷での証言やあるいは活動記録の提出などにより、ご協力をお願いしたいと思います。また、平和追求権を、想像を広げ、さらにふくらみのある権利として芸術、文化などの様々な形態で平和を実現しようとしている方々にも権利主張していただければ幸いです。また、研究者の方々には、まだ、素人の発想で芽が出たばかりのこの権利概念をこれまでの基本的人権の歴史や現代社会の現実を踏まえ、論理展開していただければ幸いです。

URL http://www.age.ac/~iken_y/

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