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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

イラクへの自衛隊派遣違憲訴訟―(6)―(山梨)

「派兵は決定的違憲市民訴訟・山梨」原告・事務局スタッフ  茅野勇

憲法関連裁判情報の中で、イラクへの自衛隊派遣違憲訴訟として5件の裁判を取り上げていただいていますが、その内の一つ山梨から裁判の状況をお知らせしたいと思います。
甲府地裁のこの裁判は、7月26日が第4回口頭弁論で、この日は原告側申請証人の採否が注目されていた期日でした。原告代理人が、1時間余りにわたり証人一人一人の立証趣旨を陳述しました。裁判官は、合議の後、証人全員却下を告げ、あろうことか、矢継ぎ早に、当日結審、10月25日の判決期日の言い渡しを何の前触れもなく行いました。この裁判長の発言は、傍聴していた原告たちには、ほとんど聞き取れないものでした。また、原告代理人側に対しては、判決期日も含め、その意向は全く確認されることなく行われました。
怒った原告らが、残された被告代理人を取り囲み、その後、1時間近くにわたり、裁判所廊下に抗議の座り込みの中、裁判官からの説明を求めるため書記官に詰め寄るなど、騒然とした事態になりました。原告代理人と原告事務局長が交渉の末、裁判官に面会しましたが、当日の弁論の訴訟指揮については、「合議の秘密」として何ら裁判官から回答は得られませんでした。
原告代理人弁護士8名は、全員一致で、即日、裁判官全員の忌避申し立てを行い、現在、忌避申し立て事件については、即時抗告により東京高裁に係属中です。
原告らは、原告自身による抗議申し入れ、弁論再開の申し立て、連日にわたる甲府地裁前での座り込み、ビラ配りなどを行っているところです。
私は、日本の訴訟制度における事件性の問題や原告に求められる被侵害利益性の厳しさから、判決の内容に多くを期待していたわけではありません。しかし、自衛隊派遣の違憲性という、本案の主張についての裁判官の対応もともかく、訴訟全体における法廷内外での裁判官の訴訟手続、また、だまし討ち的な結審という訴訟指揮が、司法への公正手続に対する信頼さえもないがしろにする余りに常軌を逸したものであると、強く感じました。
なお、自衛隊イラク派遣の違憲を巡る裁判は、全国11地裁で行われていますが、差し止め、違憲確認を求める裁判で判決期日が言い渡されたのは、甲府地裁がはじめてです。4回の弁論で結審したのも、甲府地裁が最短です。

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