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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

「杜の都と地下鉄東西線計画――行政を市民の手に」

弁護士 千葉晃平さん

  『杜の都』といえば仙台をイメージしていただけるのではないでしょうか。
 ところが、いま仙台では『杜の都』のシンボルである『青葉通りのケヤキ並木』が失われ、さらには仙台市が倒産(財政再建団体への転落)する危機が迫っています。その原因が「地下鉄東西線整備事業計画」です。

 この計画はまさに杜撰な公共事業の見本的なものです。@利用者見込みが杜撰A建設費見込みが杜撰B市民への効果がないC自然環境を破壊する等々です。この杜撰な計画に対し、市民は何度となく仙台市へ説明を求めましたが、仙台市は経営上問題ない旨繰り返すばかりです。しかし、他都市の地下鉄が例外なく莫大な累積赤字を抱えているなか何故仙台市だけがひとり黒字となるのか、既存の地下鉄南北線によって渋滞の悪化が引き起こされたのに何故さらに地下鉄が必要なのか等々、市民には議論の基礎となる情報すら開示されません。

 市民の試算によれば地下鉄東西線は半永久的に赤字を垂れ流し「仙台市を財政再建団体に追い込む最後の犯人」とまで言われています。『杜の都』を失い、借金を背負い続け、自治権を奪われることを黙って受け入れるわけには行きません。
 仙台市では、まさに自らのことは自らで決め、人間らしく生活し、後世に美しい自然環境を伝えるために、市民運動が沸きこっています。分かりやすいパンフレット(下記のアドレス参照)の作成、青葉通りのケヤキ並木のもとでの署名・街頭活動、市長への申し入れ、国土交通省への申し入れなど学者・会社員・主婦・コンビニ経営者等々あらゆる分野の市民が熱心かつ気楽に頑張っています(もちろん弁護士も)。仙台市民オンブズマンは、その杜撰さを鋭く指摘し公金支出差止訴訟を提起しました。これらの市民活動は、法的にいえば「人格権」「地方自治権」「幸福追求権」「生存権」の実現のための活動であり、市民版現代風「権利のための闘争」(蛇足ですが一度はイェーリング「権利のための闘争」を読まれることお薦めします。イェーリングは概念法学批判者といわれています。)とでもいえるでしょうか。

 弁護士になって1年半あまり、未熟とはいえ法的知識をもって顔の見える市民とともに社会的活動に参加できることに感謝する毎日です。

(法学館LawJournal 2003年8月7日配信号より転載)

 
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