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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

難民訴訟(10) カザンキランさんの強制送還に対する抗議集会

T・O記

全難連・渡辺弁護士

 2005年1月21日午後2時より、参議院議員会館第一会議室において、カザンキランさんの強制送還に対して抗議するための院内集会が開かれました。通常国会の初日であるにもかかわらず、多くの国会議員が参加し、またメディアや支援者も大勢詰めかけました。今回は、この院内集会の模様についてお伝えします。

 まず、全国難民弁護団連絡会議(全難連)を代表して、渡辺彰悟弁護士が、今回の事件は日本が1982年に難民の受け入れを始めて以来、最悪の出来事であると強く批判しました。そして、これまでの難民政策の矛盾がはっきり現れた事件であると指摘し、難民認定制度の見直し、具体的には難民認定機関を出入国管理行政を扱う入管から切り離すべきであると主張しました。


カザンキランさん家族とドーガンさん家族

 また、社民党党首の福島瑞穂参議院議員は、日本が難民条約に加盟していること、および法体系としては条約が法律に優位することから、入管法よりも上位法である難民条約を遵守すべきだと述べました。このほか、民主党・共産党あわせて15名の国会議員本人が参加・発言し、法務省の対応や入管行政について、人権意識が欠けている、難民条約の精神を理解していないなどと強く批判しました(議員秘書の参加も多数ありました)。

 カザンキランさんの長女であるゼリハさんは、まず「ここで何を語っても、父はすでに送還されてしまいました」と述べ、事態の深刻さを訴えました。そして、今回の措置が、2004年の7月13日から72日間にわたって国連大学前で抗議の座り込みをしたことに対する報復であるとして、強く非難しました。そして、15年間も離れ離れだった家族が2年前にようやく一緒になれたのに、再び引き離されたことの悲しみを訴えました。そして最後に、日本は難民条約に加盟しているにもかかわらず、なぜ難民として認めないのか、認めないのであれば条約に加盟しなければいいのではないか、どうすれば法律を守ってくれるのかと述べ、日本政府の対応の矛盾を批判しました。


発言するカザンキラン・ゼリハさん

 続いて、エルダル=ドーガンさんが発言しました。彼は、集会当日の21日の朝に入管への出頭が命じられており、収容・送還のおそれもありましたが、仮放免延長の許可が出たため、この集会に参加することができました。彼は、自分が1996年から難民申請をし続けているにもかかわらず、いまだに結論を出されていないこと、さらに法務省がトルコまで行き、現地の警察官などと連絡を取って調査したことを批判しました。また、この日の午前中に入管へ出頭したことについて、おそらく収容・送還の準備をしていたのかもしれないが、大勢の支援者たちが一緒についてきてくれていたため、入管も今回はそれをしなかったのかもしれないけれども、来月の出頭日も収容・送還の恐れがあり安心できないので、第三国出国を考えていると述べました。

 


院内集会には多くのメディアも集まった

 24日には、カザンキランさん一家が入管へ出頭することになっています。そして、入管は、これまでの多くの事案においては、日本国内での家族の統合に極めて消極的だったにもかかわらず、今回は「家族を離れ離れにさせないため」という理由から、一家を収容・送還する方針であるといわれています。また、トルコに送還されたカザンキランさんは、警察に一時身柄を確保されたという情報もあり、状況は非常に緊迫しています。
 支援者の人々は、24日の朝に東京入管前に集合することにしています。引き続き、このサイトでも続報をお知らせしたいと思います。


[参考サイト]
クルド人難民二家族を支援する会

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