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難民訴訟(13)1435虹の架け橋キャンペーン

T・O記

2005年3月16日、東京の品川入管で、「1435虹の架け橋・品川入管ほっかほか人文字キャンペーン」が開催されました。これは、お菓子の差し入れや、人文字「ともだち」を完成させることで、品川入管に収容されている外国人たちを元気付けようというイベントです(主催者のホームページ)。虹の架け橋キャンペーンは昨年も開催されており、このときは法務省を人の輪で囲む、というものでした(これについては、難民訴訟(8)をごらんください)。

この日のイベントでは、まず、入管に収容されている外国人たちに、大手菓子メーカーとコンビニから提供されたお菓子を差し入れるため、10人ほどが面会に行きました。お菓子の差し入れについて、入管は、衛生上・保安上の問題を盾に、これまで食品の差し入れを認めてきませんでした。しかし、メーカーの協力でお菓子を入管に直送することで衛生上の問題をクリアし、また藤田一枝議員(民主党)や小渕優子議員(自民党)の協力もあって、差し入れを認めてもらうことができたそうです。このお菓子は、入管職員によって、この日の夜に収容者に配られたということです。

面会に参加した人たちは、ビルマ難民、クルド難民、法輪功の難民の方など、計7人の収容者と面会しました。ガラス越しに収容者と面会した参加者からは、「面会すれば、する前と同じく『収容者』という言葉を使ってもイメージが違う。一般人から見て『収容=悪いことをして閉じ込められること』というイメージが強いのが悲しい。何とかしたい」。「医療の点で、入管の医者はひどいと言っていた。ろくに見ないで薬を出す。私はもうここの医者には診てもらわないと言っていて、悲しくなった。医者の中にあるはずの職業倫理はどこにいったのか?そのような医者がいること、そしてそのような医者を利用する人がいること、このようなことを見過ごしてはならないと思う」、といった感想が寄せられています。

また、面会に引き続いて、30名近い与野党の国会議員らによる要望書の提出を行ない、被収容者の処遇環境改善や、無期限収容と不必要な収容をやめること、難民をより積極的に庇護することなどを求めて、1時間以上もの交渉がなされました。

入管前の公園では、面会と同時並行で、コンサートなども開催されました。「なんみんのうた」で有名なナラカズオさんをはじめ、たくさんのバンドが演奏をして、収容されている外国人に声援を送り、また入管行政に抗議の声を上げていました。今年の1月18日に父子がトルコへ強制送還されたカザンキランさん一家や、カザンキランさんと一緒に国連大学で座り込みをしていたドーガンさん一家、ビルマ難民のキンマウンラさんなども参加し、アピールを行いました。

さらに、このイベントの呼びかけ人であるサンプラザ中野さん、田中章義さん、池田香代子さんが駆けつけ、鼎談を行いました。田中さんがコーディネーターをして、サンプラザ中野さんが「政府は早く難民への扱いを人道的なものに変えて欲しい」と訴え、池田さんが「今日のこのイベントに賛同して収容所のなかでハンストしている収容者がいる」と、収容所の中と外での連帯の広がりを紹介しました。続いてサンプラザ中野さんが「ランナー」を熱唱し、会場も大いに盛り上がりました。

そしてイベントの最後に、参加者がキャンドルで人文字「ともだち」をつくりました。この人文字は、入管の部屋からも見えたそうで、ビルマ人難民(女性)は、同じ部屋の人と「ともだちー!」と何度も叫んでいたそうです。

著名な憲法研究者である樋口陽一氏は、『改憲は必要か』(岩波新書)の中で、“人道のための武力介入を行うために改憲すると主張するのであれば、難民受け入れなど国内の人権・人道政策を充実させた上のことでなければおかしいではないか”と主張しています。私たちは、国内の人道問題に、もっと敏感でなければならないように思います。

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