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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

難民訴訟―(9) カザンキランさん送還される!

I・M記

 今回は、カザンキランさんについての最新動向についてです。カザンキランさんは、2004年11月8日付の「今週の一言」や、難民訴訟7で、以前にもご紹介した難民申請を行っているクルド人家族です。

 2005年1月17日、アホメット・カザンキランさんと、その長男であるラマザン・カザンキランさんは、法務省によって仮放免の更新を認められず、再び収容されてしまいました。そして、収容翌日の1月18日、2人はトルコに強制送還されてしまいました。

 また、カザンキランさんの支援者によれば、法務省は、残りの家族についても、次回の出頭日に収容し、強制送還する方針であると述べているそうです。

 今回のような強制送還は、極めて異常であり、難民条約にも反する措置と考えられます。また、カザンキランさん家族には、トルコ入国後、直ちに逮捕・連行され、身体や生命に危険がおよぶ可能性も懸念されます。今回の強制送還を受けて、アムネスティ・インターナショナル日本と国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日地域事務所は、声明を発表しました。以下、ご紹介します。

 なお、法学館憲法研究所では、引き続き、この件についてフォローしていく予定です。

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2005年1月18日
アムネスティ・インターナショナル日本

日本:クルド人父子の送還に抗議する

アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、トルコ国籍クルド人の父と息子が日本政府により強制的に送還された件につき、重大な懸念を表明する。

父子は、トルコでの政治的迫害を逃れるため、日本に居住している難民条約上の難民として、国連難民高等弁務官事務所からも認定(マンデート難民)を受けていた。今回の送還は、こうした事情すらいささかも考慮しておらず、難民条約35条に規定されている協力義務をも放棄したものと看做しえる。

「マンデート難民」の認定を受けた人が、その自発的意思によらず送還されたのは、今回がはじめてである。また、父子は17日午前中に品川の東京入国管理センターに収容され、その翌日の18日午後に送還されていることから、送還手続きが極めて異例の速さでおこなわれている。

日本政府は、トルコ系クルド人について、トルコ国内でクルド人に対する人権侵害が続いているにも関わらず、現在までに一人も難民として認定していない。

父子は、日本に家族とともに居住していた。今回の措置はこの家族を分離させただけではなく、家族も含めて今後の危険に身を晒させる結果となる。

アムネスティ・インターナショナル日本は、日本政府に対し、父子の送還後の結果に責任を持ち、二人の身の安全を確保するとともに、残された家族に対しても適切な保護措置を講じるよう要請する。

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amnesty international Japan
<info@amnesty.or.jp>
<http://www.amnesty.or.jp/>
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UNHCR、前例のない難民の強制送還に懸念
2005年1月18日

 国連の難民援助機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官)事務所は、「UNHCR事務所規程」によって難民と認定されたクルド系トルコ人2名の、前例のない送還について憂慮している。日本政府は、1月18日、UNHCRおよび人権団体からの最後の要請にもかかわらず2名の難民をトルコに送還した。
 UNHCRは火曜日、法務大臣に送付した口上書の中で、日本政府に対して難民を送り返さないよう要請するとともに、このような措置は国際難民法上で禁止されている「ルフールマン(迫害を受ける危険性のある領域に人を送り返すこと)」の行為にあたると指摘した。
 UNHCRはこれらの難民の第三国定住を求めて方策を講じていると述べてきた。送還されたのは、クルド系トルコ人とその21歳の息子である。妻と他の3人の子どもも同じ処遇に直面しつつある。UNHCRは、送還は国際法上、日本政府に課された義務に反するものであると見なしている。また、今回の送還は、前例がなく、海外にいる難民や災害被災者に対する日本の人道援助とは相容れないものである。
 送還された2人には、日本に滞在するための法的な救済措置はすべて尽きてしまっていたが、UNHCRは難民であると見なしていた。UNHCRはこれまで彼らのために介入を行っていた。
 今日まで日本政府は、このような難民に対しては、UNHCRの任務に従った日本での定住かケースによっては第三国定住などの恒久的な解決策を追求する可能性をUNHCRに提供してきた。執行された「ルフールマン」は、この慣行からの憂慮すべき逸脱にあたる。


UNHCR広報室
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