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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

ODAってナニ? 現地から訴えられる日本の海外援助
(コトパンジャン・ダム撤去訴訟)

弁護士 河村健夫さん(東京弁護士会)

  皆さんは、ODA(政府開発援助)と聞いて、何をイメージしますか?技術指導に汗を流す青年海外協力隊員の姿でしょうか?

 従来、日本のODAは「善」のイメージを持っていました。しかし、鈴木宗男をめぐるODA利権の報道は、ODAが必ずしも援助対象国のためではなく、日本の企業や政治家のためにあることを明らかにしました。今回紹介する訴訟も、ODAの負の側面を暴くものです。援助を受けた住民が「こんな援助をするな」と訴えた裁判だからです。

 問題となったコトパンジャン・ダム(以下「コトパン・ダム」という)は、インドネシアのスマトラ島中部にあります。住民の意思を無視して建設が強行され、以下の甚大な被害が生じました。

@水没予定地に生息していたスマトラ象・スマトラ虎が餓死するなどの環境破壊。
A移転住民への補償がほとんどなされなかったために困窮きわまる生活に追いやられた生活破壊。
B集団移転により伝統的イスラム共同体が崩壊するという文化破壊。

 住民たちは、ダム建設を主導した日本企業や日本政府などを相手に、ダム撤去勧告と損害賠償を求め訴えました。原告総数は8396人+自然生態系1つ。移転住民が約2万人であることを考えると、そのほとんどが参加しています(子どもを除くため)。

 提訴に至る過程で、現地住民を侮蔑した日本人の姿が次々明らかになっています。水没予定地の樹木を伐採しないなど日本国内のダム建設では考えられない工事をした日本企業、必死にダム建設中止を訴えた現地住民との会見の場にインドネシア警察員を同席させた日本大使館。外務省は公電で「ダム建設中止をすれば、インドのナルマダダムの二の舞であり、NGOは何でも出来ると思いこむ」といった旨述べて建設を強行しました。
 関係者は、インドネシアはスハルト独裁政権(当時)だから、多少強引なことをやっても抑えきれると考えていたのでしょうか?

 ダム建設前は、豊かな村でした。それがダム建設で一変しました。
 生活困窮し、娘が売春したお金で生活する父の涙、道路の路肩の石を一日砕いて100円程度の収入の家族、危険を承知で沈みかけた元の村に帰る一家。
 彼らにもとの生活を取り戻すために、訴訟は続きます。一読された方、ぜひとも支援をお願いいたします。支えてくださる方には若い人が多く、ミーティングもとても楽しくやっておりますので。

(連絡先)コトパンジャン・ダム被害者住民を支援する会(電話 東京03-3267-0154 大阪06-6242-8130)
ホームページ  http://www2.ttcn.ne.jp/~kotopanjang/

(法学館LawJournal2003年10月16日配信号より転載)

 
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