法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

『学校に言論の自由を』裁判(6)

2010年6月7日

以下、「土肥元校長の裁判を支援する会」のご了解を得て、そのブログに掲載された情報を転載します。(法学館憲法研究所事務局)

第6回口頭弁論の報告

第6回口頭弁論 ==

5月27日(木)午前10時より第6回口頭弁論が東京地裁606号法廷で行われました。
傍聴席は満員で、10人程の人が入れませんでした。この春から土肥先生が講義をしている大学の学生も傍聴に来てくれました。
 
 当日の審理  
 ・原告(土肥側)準備書面3の提出
 ・尾木直樹法政大学教授の鑑定意見書の提出
 ・田口弁護士より「準備書面3」についての説明
 ・都側の準備書面の提出(事実関係および前回提出の西原教授鑑定意見書に対する反論)          
   
  次回口頭弁論は>6月28日(月)午前10時半〜527号法廷。(法廷が変ります)

 (注:尾木直樹教授「鑑定意見書」は近日アップの予定)

  
報告集会(於弁護士会館5階)==

1.吉峯弁護士の報告と解説

 「提訴よりほぼ1年経過した。鑑定意見書を書いてくれた専門家や、皆さんはじめ多数の方の支援に感謝したい。
 5月13日に教育関連裁判で画期的な判決があった。良心を貫く先生に管理職が不当な業績評価を付けることで圧力をかけるという基本的な構図は、土肥先生の裁判と同じだ。
 きちんとした主張を積み上げていけば、裁判所も公平な判断をしてくれるという好事例となり、勇気づけられた。
 今回は尾木先生の鑑定意見書にもとづき、準備書面を作成した。
 尾木教授の現場教員としての経験や研究活動を通じて得た、教育の臨床的知見により、教育の本質と教育行政のあり方を定義した貴重な鑑定書である。浪本先生の鑑定意見書も次回提出の予定。」


2.木ノ切弁護士の解説 

 都側も準備書面を出して来た。内容は
 1.事実関係の詳細 2.(前回提出の)西原鑑定意見書への反論 である。
 都側の主張は「職員会議」の位置づけに力点があり、両者の食い違いを明らかにすることで討論の良い機会になるだろう。

3.高橋弁護士の解説

 大嶽裁判(教員の業績評価裁判)の説明。裁判長は証人尋問でも「聞こう」という姿勢があった。
 同じ裁判長で判決を受けることを期待する。 

4.土肥元校長の話

 大嶽先生の裁判ではいい判決が出てよかった。鑑定意見書を3人の先生が書いて下さり感謝する。
 そして陳述書は現在までに66通も寄せてくれて、大変うれしかった。
 今心配なのは若い人たちが何も言わないこと。自分は今大学で教えているが、教育実践から理論を組み立てた。教育はまず生徒を信ずること。それが教育の原点で、陳述書にもその例の一件が書いてあり泣けた。
 しかし都教委の反論の書面を読むと気持ちが暗くなる。なぜ毎回ウソを書いてくるか。
 これがまかり通ったら 日本はどうなるか。

 
質疑応答(抜粋)

Q1:もの言わない教員がふえた発端は、校長会の解散がきっかけか。現場の声を伝えた校長がつるし上げにあったという話を聞いた。
土肥:校長会とは、地区毎に校長会(任意団体)主催で開かれた会議で、そこに指導主事を呼び、校長も自由に意見を出し、指導主事に様々な要望を出していた。新宿高校の問題をきっかけに校長会主催の会議は中止。都教委主催の校長連絡協議会になった。そこは完全なトップダウンだ。つるし上げではなく都教委からの圧力。

Q2:この裁判長に期待したいが裁判長が代わる可能性はあるか?
吉峯:今の裁判長は去年春に着任したので、2年で代わるとすれば来年春異動する可能性はある。人事権は最高裁が持っている。地裁でいい判決を出す裁判長は左遷される傾向がある。今の裁判長の訴訟指揮は公平で、東京地裁の裁判長をしながらいい判決を書くのは大変なこと。心からエールを送る。
 一方、都側の代理人も代わる可能性がある。一応こちらの問題提起に応えようという姿勢が見える。
浪本:予防訴訟で画期的な判決を出した裁判長は熊本地裁へ異動になった。また表面上、よく聞いてくれても実際の判決はウラハラという例もある。

Q3:被処分者の会の原告だが、鑑定意見書には「一度も違法・違反行為をしたことがない(土肥)氏を採用しないということは、都教委による氏への一種の「いじめ」行為であり〜〜到底容認できるものではない。」とある。
私たちは都教委から非違行為を再三行ったとされているので、このように書かれると、私たちの処分は当然だとなるわけであり、つらいものがある。
吉峯:当方でも同様の訴訟を手がけてきた。日の丸君が代裁判では、不当に非違行為と決め付けられて処分される基本構造自体が問題である。ハードルが高いが頑張ってほしい。
土肥元校長の裁判では日の丸君が代裁判とは立場が違うが、土肥裁判で勝つことが教育裁判全般の突破口となるのでぜひ勝たなくてはならない。

各裁判の当事者の立場からすれば、教育権の所在(国家にあるのか、国民や教育者にあるのか)については、見解の相違があり、学者の中でも意見が分かれている。公開討論などでじっくり論議すべき論点だろう。
しかしいずれの立場からみても、やはり都教委のやり方はおかしい。
以上


<<(5)へ

 

 
[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]