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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

政党助成金違憲訴訟―(3)政党助成金制度の運用に伴う問題

I.M.記

 政党助成金制度が運用されるなかで、どのような問題が生じるのかについて考えてみたいと思います。

 政党助成金制度の導入に伴って、まず生じた問題は、各政党が政党助成金に依存してしまうということでした。政党助成金は、毎年国費から約317億円支出されています。この数字は、一人あたりに換算すると、約250円を各政党(受け取りを拒否している日本共産党を除く)に国民が毎年支払っていることになります。各政党からするならば、何もしないでも毎年一定の額が政党の収入となることを意味します。2002年度の各政党の受け取り額は、自民党(約152億円)、民主党(約87億円)、公明党(約29億円)、社民党(約18億円)となっています。制度が導入された1995年以来の累計を見ると、自民党(約1158億円)、民主党(約419億円)、公明党(約243億円)、社民党(約241億円)となります。

 この金額は、各政党の全体収入のなかでもかなりの比率を占めます。各政党の収入における政党助成金の割合を見ると、自民党(約60%)、民主党(約76%)、公明党(約17%)、社民党(約54%)となっています。こうした政党助成金に収入の大部分を依存した状況に対しては、政党の国民に対する説明責任や、政党自らの財政活動などを後退させることになり、その結果、政党が国民の声を真摯に受け止めなくなる危険性があるとの指摘もなされています。

 実際にも、上記のような危険性は現実に発生しています。たとえば、政党助成金の額を決定する基準日(1月1日)の直前に、しばしば政党の離合集散がなされるということがあります。こうした傾向には、「政党助成金目的の大義なき離合集散」との批判も聞かれます。また、政党助成金の使途についても、不明朗なものが少なくありません。これまでには、ある議員が、野球解説者として出張した際の宿泊費や食事代に助成金が使用されていたことが発覚し、現役の与党幹事長が携帯ストラップを5000個購入したとして約173万円を助成金から支出したことなども明るみになっています。これらは、政党助成法に規定されている「政治活動の健全な発展や公正さ」とはおよそ無縁なものと考えられることから、とくに研究者を始め少なくない批判を呼んでいます。

(法学館LawJournal2003年12月25日配信号より転載)

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