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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

戦後補償裁判――(1)戦後補償裁判とは

I.M.記

 戦後補償問題というのは、古くて新しい問題です。歴史の教科書や新聞などで、みなさんも耳にしたことがあるかと思います。この問題は、戦後60年近くが経った現在、「過去の問題である」とか、「すでに解決済みの問題である」といった言われかたをされたりもしています。しかし、実際には、21世紀の今日にもなお、戦争の被害に苦しみ、また新たに被害者となる人たちが存在しています。こうした人たちにとっては、決してこの問題は「過去」の問題ではないはずです。

 こうした侵略や占領、植民地支配のために被害を受けた人たちが、現在、日本の裁判所で政府を被告として裁判を起こしています。戦後補償裁判は、1995年に前後して数多く提訴されるようになりましたが、現在までにその数は70件を超えています。今年に入り、韓国の人たちが訴えていた裁判が、次々と最高裁で棄却されました。現在、裁判は、中国人の被害者たちを原告とするものが中心となっています。

 裁判に訴えている原告の人たちの被害は、人体実験、虐殺、「従軍慰安婦」、遺棄毒ガス兵器・砲弾、無差別爆撃、強制連行・強制労働など、多種多様です。また、裁判での請求も、慰謝料の支払いや謝罪広告の掲載など、バラエティーがあります。弁護団も、創意工夫を凝らして訴訟を進めています。そのほか、判決において被害事実の認定を行ってもらうことも、裁判の重要な目的の1つとなっています。原告や弁護団、支援の人たちは、法廷での取り組みとあわせて、法廷外では、補償立法の制定のため、国会や省庁への請願活動も行っています。裁判では、仮に救済されたとしても原告だけに限定されてしまうからです。そういう意味では、この裁判は、法形成機能を担った裁判ともいえます。

(法学館LawJournal2003年7月28日配信号より転載)

 

 
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