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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

戦後補償裁判――(11)「従軍慰安婦」訴訟(2)

執筆日:2004年6月3日
I.M.記

 2004年6月2日、東京高裁101号法廷において、中国人「慰安婦」二次訴訟の口頭弁論がありました。原告の故・侯巧蓮(1999年死亡)の娘である張粉香さんが来日し、証言しました。

侯巧蓮さんの被害
 侯巧蓮さんは、1929年に山西省の盂県に生まれました。数えで14歳のときの1942年3月の朝、多数の日本兵が村に入ってきて、住民を一箇所に集めました。村長をしていた父は、抗日グループへの協力活動から、何度も殴られるなどの暴行を受け、侯さんを含む5人の女性とともに進圭村に連行されました。
 父親とは別の部屋に監禁されたその夜、侯さんは、複数の日本兵から殴る蹴るの暴行を受け、口のなかに布を押し込んで声を出せなくしたうえで、奥の部屋に連れられました。そして、ある日本兵が近づいてきて、無理やり服を脱がせ、強姦し、その後も2人目の日本兵が入ってきて、強姦しました。
 侯巧蓮さんは、初めて強姦されたときの様子を語っています。「日本兵が武器などをはずし、服を脱ぐような音が聞こえました。その裸の男が、近づいてきて私の服を掴んで脱げというように服を揺すりました。私は、まだ初潮も始まっておらず、性体験もなく、恐ろしくてたまらず、じっとしていると、その男は私の服を無理やり脱がせました。裸の男が近づいてきたことで、私にも何が始まるか怖くてたまりませんでした。男は私を布団の上に押し倒しました。その男の髭が私の頬に触り、すね毛も触れ、ぞっとしました。抵抗しようにもどうしようもなく、強姦され、下半身からひどく出血しました」。
 毎日、侯さんは日本兵に強姦され続け、血尿が出るようになり、身体がむくみ、歩くことも困難になりました。
 残された母が金策に走り、集めた銀700元を日本軍に支払ったため、連行されてから約40日後に父親とともに解放されましたが、極度に貧弱しており、帰宅後も寝たきり状態が続きました。また、監禁と強姦に起因すると考えられる重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が残りました。

娘・張粉香さんの想い
 今回、来日した張粉香さんは、小さいときから母親(侯巧蓮さん)がときどき発作を起こして暴れ、気を失うまで子どもたちを殴り続けたといった証言を行いました。張粉香さんは、幼いときにはどうして自分の母親はこんなに乱暴なのだろうと思っていたそうですが、18歳くらいになり精神的な病気だと知りました。またその後、母親の体験を聞くことになりました。発作が起こり暴れ始めると、子どもたちは誰も母親を止められなくなるそうです。そして、冷静になると、母は、体中あざだらけになった子どもを見て、どうしてこんなにまで殴るのかと泣いていたそうです。それを見て、子どもたちも一緒に泣いたと、張さんは涙声で述べました。
 また、張さん自身も、小さい頃から周囲の人たちに、母親のことでいじめられたり、ひどい暴言を吐かれたりしていたそうです。
 最後に、張さんは、次のように述べて証言を終えました。「母は一生かわいそうだった。日本政府に謝罪と賠償をしてほしい。正義を返してほしい」。

 現在、この裁判は東京高裁に係属しています。次回期日は、7月21日午後3時からです。関心のある方は、ぜひ傍聴に出かけてみてください。


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