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憲法情報Now<憲法関連裁判情報>

 

戦後補償裁判――(2)731部隊・南京大虐殺・無差別爆撃訴訟

I.M.記

 「731部隊・南京虐殺・無差別爆撃訴訟」は、1937年の盧溝橋事件から、1945年のポツダム宣言受諾までの間の日中戦争中に、中国国民である原告やその肉親が、旧日本軍によって、捕虜虐待、人体実験、強姦未遂、無差別爆撃などの加害行為を受け苦痛を被ったとして、国を相手に損害賠償を請求している事件です。この訴訟は、戦後50年の年にあたる1995年に提訴されました。

 原告は、訴状において、この裁判の意義を、「戦後50年も経過し、既に謝罪と賠償とが遅きに失していること、及び被害者その遺族が高齢に達していることを考慮すれば、右の謝罪と賠償とはできるだけ速やかになされなければならないことは多言を要しまい」、「政治家が果たしえなかった日本への信頼回復が、日本の司法の手によって可能とされるか否かが、本件訴訟で問われている最も基本的な問題なのであり、この訴訟の成りゆきは、中国その他のアジア諸国はもとより、世界の国々から注目されている」と位置づけました。

 一方、被告・国は、一貫して加害と被害の事実について一切の認否を行わず、歴史認識を裁判の場で明らかにすることを避けています。被告・国は、法律論だけが争点であり、法的判断のみでの請求棄却を求めました。国は、答弁書において、「本件請求は、いずれも主張自体失当であることが明らかであるから、被告は、現在のところ、本訴の請求原因事実についての認否の必要を認めない」と述べています。しかし、こうした態度は、原告の主張する事実を確定し、それに法律をあてはめて結論を導くという通常の裁判の姿からはほど遠いものです。また、こうした姿勢は、事実を認め謝罪して欲しいという想いからようやく提訴を決意した被害者の尊厳を戦後に再び傷つけるものともいえます。

 現在、本件は東京高裁に係属しています

 参考URL: http://www.suopei.org/index-j.html

(法学館LawJournal2003年8月21日配信号より転載)

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