研究所紹介
日本国憲法第13条は「すべて国民は、個人として尊重される」とし、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利は、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とすると定めています。すなわち、国民は、誰もがかけがえのない命を持った具体的な個人として尊重されるのです。そのうえで、日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重及び平和主義を高らかに謳っています。
日本国憲法の保障する基本的人権は、人類が過去幾多の試練の中から勝ち取り、普遍的な価値であるべきだと主張し続けてきた成果です。そして、これらの権利は、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものとされています(日本国憲法第97条)。
憲法は「未完のプロジェクト」であると言われるように、どれほど素晴らしい憲法であったとしても、その実現に向けた営みがなければ、人権など消えて無くなってしまいます。具体的な個人として尊重される私たちが幸福を追求していくなかで自立した市民として日々考え、主体的に行動することによって、ようやく維持できるものなのです。そして、日本国憲法によって保障された基本的人権を保持し、次世代に継承していくことは、今を生きる者の責任です。
また、憲法を尊重し擁護する義務を負うのは、国会議員や裁判官、その他の公務員です(日本国憲法第99条)。主権者たる私たち国民は、その義務が果たされているか、目を光らせておかなければなりません。
私たちは2002年11月3日、<法学館憲法研究所>を設立しました。当研究所は、Webサイトからの情報発信やLaw Journalの発行などを通じて、市民社会に生起する課題に向き合う手がかりを提示できるよう努めてまいります。
法学館憲法研究所 所長 伊藤 真
所長

伊藤 真 (弁護士・日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長)
1981年東京大学法学部在学中に司法試験に合格。司法修習修了と同時に弁護士登録。
その後、真の法律家の育成を目指して司法試験の受験指導にあたり、現在まで40年以上法律家の育成に務めている。
NHK「日曜討論」や「仕事学のすすめ」、テレビ朝日の「朝まで生テレビ」などにも出演。
様々な媒体を通じて多くの方に向けたメッセージを日々発信している。
2009年から一人一票実現国民会議 の発起人として、議員定数不均衡問題に取り組んでいる。
また、2014年5月、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に反対する憲法学者や元政府関係者らとともに「国民安保法制懇」を立ち上げる。
2015年9月、参議院「平和安全法制特別委員会」の参考人として意見陳述をする。
現在は、選挙無効訴訟、安保法制違憲訴訟、憲法53条違憲国家賠償等請求訴訟のほか、映画『宮本から君へ』助成金不交付処分取消訴訟、岡口基一裁判官弾劾裁判の弁護団に加わり、憲法価値の実現と立憲主義の回復のため日々積極的に取り組んでいる。
アドバイザー 50音順
愛敬浩二(早稲田大学法学部教授)・青井未帆(学習院大学大学院法務研究科教授)・遠藤美奈(早稲田大学教育・総合科学学術院教育学部教授)・駒村圭吾(慶應義塾大学法学部教授)・曽我部 真裕(京都大学大学院法学研究科教授)・只野雅人(一橋大学大学院法学研究科教授)・堀口悟郎(岡山大学大学院社会文化科学研究科教授)・山元 一(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)・横大道 聡(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
顧問
浦部法穂(神戸大学名誉教授)
客員研究員
水島朝穂(2002年~2024年。早稲田大学名誉教授)・村井敏邦(2011年~2024年。一橋大学名誉教授、龍谷大学名誉教授)
森英樹(2002年~2020年。名古屋大学名誉教授)
これまでの主な活動
⇒こちら
TEL:03-5489-2153